2013.11.14 都議会環境・建設委員会 河野ゆりえ都議質問



〇河野委員 質問に入る前に、木造住宅密集地域を改善し、命を守る道としている特定整備路線について、私も意見を述べておきます。
 江戸川区内でも、補助一四二、一四三、一四四と三路線が指定され、住民説明会が開かれました。小岩地域の補助一四二、一四三号線は千葉街道、柴又街道の拡幅、そして、平井の一四四号線は、現在の道路幅員はとても狭くて住宅が立て込んでいる、こういうところであります。
 地域住民は、突然始まった説明会に戸惑い、都から、以前から決まっていた路線計画だから拡幅は当然、防災に役立ち、電線の地下埋設もあるからまちはよくなる、こういう説明を聞いても、急にいわれても納得できない、率直な思いを述べておられます。
 都は、町会と話し合いをした、地域の人たちの理解を得られるように努めたといっていますが、一回あるいは二回、町会役員と話し合って住民説明会を開き、昔から決まっていた道路づくりだから協力をしてほしい、こういうやり方では地域の理解は得られないと思います。
 都からは、おたくの家を道路用地として買い取るから、ほかの場所に移転してもらうことになる、あるいは移転先は自分で探すことになると、残地の買収がどうなるのか、東京都の説明では、いわれても全くわからない、こういう声もありますし、長い間住んできたのに、年をとった今になって出ていってほしいというのは余りにも酷な話だと、そういう不安が募っているわけであります。今の進め方では、地域住民の不信は広がっていくと思います。
 都としては、住民から要望があれば、きちんと説明会を丁寧に開催して意見を聞く、これが大事なことでありまして、都の役割だと思います。地域の目線から計画をつくるべきである、このことを初めに強く要求いたしまして、質問に入らせていただきます。
 初めに、老朽化している社会資本、インフラ整備について伺います。
 十月四日の夜、港区三田二丁目の古川、一之橋上流の護岸強化の工事中箇所が、長さ五十メートルほどにわたりまして崩壊しました。幅員四メートルほどの区道が川に崩れ落ちたわけです。
 古川の護岸は、一九三〇年代につくられた、都内でも古い護岸だということです。崩落箇所は、麻布十番駅からすぐ近くの、にぎやかな町並みの裏手にありました。周辺には超高層ビルが幾つもあって、近代的な町並みが続いていて、首都高速道路も古川の上を走っています。このところに流れている古川の護岸がなぜ突然に崩落したのか、正直いって驚きました。
 港区の古川護岸崩落はなぜ起きたのか、そして、崩落してから一カ月以上経過しておりますが、この崩落の原因について、東京都が今、把握しておられる原因などについてご報告をいただきたいと思います。

〇中島河川部長 古川についてですが、現在、護岸の崩落の原因と考えられる事項について調査を進めております。
 具体的には、複合的な要因が考えられるため、護岸沿いの区道の空洞調査の結果、あるいはこれまでの埋設企業者の工事状況、また、現在施工中の護岸整備工事の記録などの確認を行っております。

〇河野委員 近くの住民の方やあそこを通行している人たちは、原因を聞いても、わからないといわれたままできょうまで至っているというのが心配だというふうなおっしゃい方をしています。今、いろいろ検討中だということが答弁でわかりましたが、なるべく早く正確な原因究明を行われるように努力をお願いしておきます。
 私は、麻布や六本木は、江戸川に住んでおりますから、とても華やかなまちだというふうに認識していました。しかし、三田二丁目は、私たちが住んでいるまちと同じように古かったです。近くの高層ビル群と比べると、まちの格差を本当に、これだけ違うものかということをすごく感じました。
 事故の後、港区議会に対して、十月四日夜の崩落前である九月三十日の午後四時過ぎに、港区の職員が東京都に、護岸工事部分の区道が二十二センチも落ち込んでいることを報告したと説明したそうです。
 護岸の底部が抜けているのではという疑問もあったことから、東京都も区と相談されて、二十四時間の巡回員を置き監視体制をとって、とりあえず経過観察にしたと聞きました。
 その後も、十月二日、三日と、区の職員が現地に行って、沈下している状態を確認し経過を見たわけですけども、結果的には、十月四日の夜八時に、区の職員が、目視で三十五センチは沈下している、このことを確認したそうです。そして、この日の夜遅く、十時五十分に崩落が発生したというわけです。
 港区と東京都の連携がどうだったのか、建設局河川部は沈下の状況把握はしていたのか、そして、対応方の指示はどのようにされていたのか、もう一つ、崩落後の対応についても、どんな方策をとっておられるのか、この点についてお聞きしておきます。

〇中島河川部長 崩落箇所付近におきましては、九月上旬より、護岸整備の準備工事に合わせて区道を車両通行どめにするとともに、護岸や区道等の測量を実施しておりました。
 九月三十日に区道の変状が確認されたため、巡回員を配置し、二十四時間の監視体制をとっております。さらに、変状の原因調査を行うべく、区道の路面下の状況を確認するために、試験掘りの準備にも取りかかっておりました。
 崩落当日の十八時には、変状が大きくなったことが確認されたため、道路管理者である区と調整の上、歩行者を含めた全面通行どめとし、その後、二十三時ごろに護岸が崩落したものでございます。
 崩落後ですが、速やかに、土のう積みによる応急復旧、また鋼矢板の打設等を行いまして、十月二十一日には、安全を確保した上で歩行者用の仮通路を開放しております。

〇河野委員 私も行きましたら、物すごく大きな土のうが崩落したところに積み上げられていて、すごい量の土砂が川にだあっと流れ込んだというのが実感としてわかりました。
 九月三十日、二十二センチ沈下の報告があったときに、巡回監視員を二十四時間体制でつけたりして、東京都や区の努力もあって、けが人も出ずに、これは本当に幸いだったと思うのですが、詳細な調査が、九月三十日以降、もう少し早く行われていたらどうだったのかという思いもありますので、申し上げておきます。
 質問ですけれども、現地で工事の様子を見まして、古川の護岸工事は、いわば手をつけやすいところから始まっている感じがしました。通常の河川の護岸工事は、下流から上流に向けて連続性をもって進められていく、こういうはずなんですけれども、古川の護岸はその連続性がないということが私の実感でありました。
 港区の小さな公園などがあって、あるいは一定の広さの土地に重機や車などが入りやすい、そういう場所があるところから護岸の補強工事が実施されているという状況を見まして、一九三〇年代にこの古川の護岸がつくられたということでありますから、当然、全体としては強度が不十分、こういう古川の護岸工事の進め方がどうだったのか、今回の崩落を招いた原因が、工事のこういう方法にも一つの原因があるのではないかということも疑問の一つとしてあるわけです。この点についてはいかがでしょうか。

〇中島河川部長 古川の整備につきましては、時間五十ミリの降雨に対処する治水対策にあわせて、戦前から整備されていた護岸の改築を行うものでございます。
 古川は、ビルや首都高速道路の橋脚が護岸に接して建ち並び、拡幅による整備は困難であるという事情がございます。このため、公園など施工ヤードが確保でき、流下能力に影響を与えることがない箇所から順次整備を行っております。
 また、現在、古川の下には、トンネル方式で延長三・三キロメートル、貯留量十三・五万トンの地下調節池を建設中でございまして、その整備効果も踏まえて、引き続き護岸前面の補強などの整備を進めてまいります。

〇河野委員 地下の調節池の工事現場も見てまいりましたけれども、あの場所は、以前に大きな、雨が降ったときに水が出たということで、そういう点では、地域の皆さんが調節池をつくっていただくということについては期待も持っておられることがわかりました。
 あの古川を見て思ったのですけれども、私は江戸川に住んでおりますから、神田のあたりも通ります。一九三〇年代築造の今の古川のような護岸は、神田川などにもあるかなという感じで川を見るんです。
 古い時代のままで護岸が改修されていない河川、古川のような河川は、この東京でどのくらい残っているのでしょうか。そして、そうした護岸の整備については、今後どのように改修、強化されていくのか、護岸整備に向けての考え方をお聞きしております。

〇中島河川部長 神田川や妙正寺川の一部などで戦前に建設された護岸がございます。これらの河川につきましては、既定計画で改修が必要な区間として位置づけており、引き続き、改修工事により補強や更新を行ってまいります。

〇河野委員 今回の古川の護岸の崩落をやはり教訓にするべきだと私は思うんです。古い昔ながらの河川で、そのそばに住んでおられる方、それも護岸の真上に住んでいるような方がたくさんいるような地域で、護岸の整備が本当に急がれると思います。
 ことしは、十月四日に実際に大きく崩れてしまったわけなんですけれども、四月にもやはり、三田二丁目一番で護岸の擁壁崩落が起きております。長さ二十メートル、幅二メートル、高さ二メートルが崩れています。点検を強めて崩落の原因を解明して住民生活を守る、このことを、既定の計画に基づいてというご答弁もありましたが、やはり速やかに対応されるよう、都の努力を求めておきたいと思います。(中島河川部長発言を求む)じゃ、答弁いただけますか。

〇中島河川部長 今、四月の崩落のお話がございましたけれども、これはマンション所有の土どめ擁壁が河川内に崩落したものでございまして、河川の護岸が崩落したものではないということを申し上げたいと思います。
 それから、古川につきましては、事故後すぐに点検を行っておりますし、また、現在も、崩落箇所以外の場所につきまして空洞調査等の調査を進めているところでございます。

〇河野委員 答弁ありがとうございます。今、私も擁壁崩落といいましたので、護岸崩落とはいっておりませんので、崩落は護岸の上の擁壁です。擁壁が崩れたんです。それはもう古いからなんですね。どちらにしても古いわけなんです。だから、その点では、いろいろ空洞調査もされているというご答弁なので、そのことを私自身は力強く受けとめまして、都の努力を求めておきます。
 次に、アセットマネジメントシステムについて私からも伺います。
 東京都は、老朽化した社会資本の長寿命化を図るために、アセットマネジメント、予防保全型管理の考え方で安全性を確保するインフラの維持管理の取り組みを進めてきました。
 橋、道路、河川の護岸など安全性の確保、長寿命化のアセットマネジメントの取り組みの状況、これは、私、江戸川に住んでおりまして、荒川にかかっている葛西橋、今も工事を少しずつしていただいておりますけれども、あの橋も昭和三十年代にできて大変古いんですね。ずっと何年も前になりますけれども、橋の路面に穴があいてしまったりしたこともあったのですが、今、安全に通行も守られているということではありますが、こういう老朽化した社会資本の長寿命化ですね、この問題について東京都が取り組んできたこと、そして、今後の方向についてご説明をお願いいたします。

〇相場企画担当部長 ただいま副委員長からお話がありましたように、都は全国に先駆け、橋梁に予防保全型の管理手法を導入し、適切な維持管理と計画的な更新を進めております。
 また、このノウハウを生かし、道路トンネルや地下調節池等の河川施設におきましても予防保全型管理の導入を検討するため、現在、健全度調査を実施しております。
 今後とも、都市基盤施設を適切に管理し、都民の安全・安心の確保に努めてまいります。

〇河野委員 インフラ整備の問題で興味深いテレビ番組がありました。この夏ごろに、NHKスペシャルというテレビの番組で、橋やトンネルなどが老朽化して、突然、つり橋のケーブルが切れたりトンネルの土砂が崩れているということが全国の各地で幾つも起こっているという、そういう危険な事態が続いていることが放映されました。この番組では、自治体で専門的技術、知識を持って安全性を判断できる職員が少なくなっていて、こうしたインフラの検査は民間任せになっている、この問題点も報告されておりました。
 NHKのアンケートに回答した自治体のうちで、インフラ点検にかかわる担当職員の技術的レベル、専門性が十分でないと四割が回答していました。橋、道路、河川いずれも、生活にとっては安全が守られるべき大事な社会資本です。
 建設局の事業概要を見ますと、東京は、一般道路にかかる橋梁が約一千二百、その他、人道橋や横断歩道橋も加えると千九百十九の橋を管理しています。道路、河川、護岸を合わせると膨大なインフラを管理している東京都ですけれども、建設局は、技術職員の体制及び専門性のレベルアップにどういうような取り組みをされているのか、現在の状況をお聞かせください。

〇相場企画担当部長 都におきましては、東日本大震災の復旧、復興支援あるいはオリンピック・パラリンピックの招致を進める中、技術職員の必要性が高まり、建設局では、平成二十五年度、前年度に退職した技術系職員六十七名を上回る七十九名の技術系職員が新たに採用されております。
 また、職員の技術力維持向上という観点から、東京都土木技術支援・人材育成センターを中心に、多様な技術研修を業務や職級ごとに構築し、研修の充実を図るなど、技術職員の人材育成に取り組んでおります。
 さらに、経験や知識を有した職員を指導技術者として認定いたします建設局建設技術マイスター制度を運用し、職員への技術的助言なども行っており、技術職員の体制強化を図っております。

〇河野委員 ぜひ都民の安全のためにも努力をお願いしたいと思います。
 もう一つ、この番組では、命と暮らしを守る道づくり全国大会についての報道もありました。これでも注目すべき問題が取り上げられていました。大会では、新しい大型道路の建設に期待する住民の発言が多く紹介されていたのが特徴だったんです。でも一方で、NHKの全国の自治体へのアンケートでは、今後、道路関連予算の中で優先されるべき事項として、維持管理優先が必要だということを答えた自治体が三割、どちらともいえないが七割を占めていました。こうした回答の状況から見て、維持管理に力を入れてほしいという要望がかなりあると感じています。
 笹子トンネルの崩壊で、あれは痛ましい犠牲を出しました事故でしたけれども、一層、新しい道路建設よりも安全性の優先を、この声が多数になっているのではないでしょうか。
 都はこれまで、中央環状品川線の高速道路づくりを街路工事と位置づけて都負担で進めたり、あるいは、今後、外かく環状道路建設にも力を注いでいく巨額の財政投入も計画されています。この方向よりも、まちの安全のためにインフラ維持管理に予算の重点を置く、この方向に東京都が進むべきではないかと私は考えるのですけれども、どうでしょうか。

〇加藤道路建設部長 東京の道路は、首都の安全・安心を確保し、都民生活や都市活動を支える重要な社会資本でございます。国際的な都市間競争に打ち勝ち、長年の低迷から脱却しつつある我が国の経済を着実に成長軌道に乗せるためにも、質、量ともに一層充実していくことが不可欠でございます。
 このため、円滑な交通を確保し防災性を向上させる首都圏三環状道路や区部環状、多摩南北道路等の骨格幹線道路の整備を推進するなど、道路のネットワークの形成を図ってまいります。あわせて、既存道路の機能を十全に発揮させるための日常の適切な維持管理はもとより、予防保全型管理など施設の計画的、効率的な維持更新を推進してまいります。
 今後とも、質の高い道路ストックを着実に築き、貴重な財産として将来世代に引き継ぐことで、活力ある東京を実現してまいります。

〇河野委員 道路建設や維持管理に向けての予算の使い方については、改めてまた、予算審議の場などもあると思いますので、東京都のお考えをさらに伺っていきたいと思っています。きょうは、安全な東京のインフラ整備が進められるように努力を求めて、この問題での質問を終わらせていただきます。
 次に、都立公園の維持管理に関して質問いたします。
 建設局の所管である都市公園の維持管理、増設は、環境問題、防災空間、都民に安らぎをもたらすなど、さまざまな大事な意義を持っています。
 都は、おととし策定しました「二〇二〇年の東京」で、都立公園百七十ヘクタールですか、新規開設を十年間の目標といたしました。地球環境の保全と生物多様性社会を目指す取り組みともいえます。
 初めにお答えいただきたいのは、東京の公園の現状です。整備状況はどこまで進んでいるのか、また、海外の主要都市と比較して東京はどんな位置にあるのか、このことについてお答えください。

〇五十嵐公園計画担当部長 東京都における公園の整備状況は、平成二十四年度末において、区市町村立公園を含め一万一千三百十五カ所で、面積は七千六百四十一・八ヘクタールとなっており、都民一人当たりの公園面積は五・七七平方メートルでございます。
 海外諸都市との比較につきましては、国土交通省の資料によれば、一人当たりの公園面積は、区部が対象となっている東京は四・五平方メートルであり、ニューヨークは十八・六平方メートル、パリは十一・六平方メートルとなっております。

〇河野委員 いろんな形でご苦労されていると思いますが、まだ海外の主要都市と比べると、東京都は、公園をふやしていくという点ではご努力を続けられなくてはならないのかなと感じています。
 先日、この都立公園ガイドのパンフレットをいただきました。既設の都立公園だけでも八十一公園あります。どの公園も、それぞれの歴史と特色を持って都民に親しまれている、このことがパンフレットでわかりました。
 緑が多い多摩地域から区部の公園まで、多くの人たちの努力で公園が整備され、守られてきているわけですけれども、都立公園には、埋立地の活用で新しい公園を整備してきた歴史もあります。
 東京湾の埋立地に整備された建設局所管の都立公園は幾つあるのか、公園の数や名称、面積などについてお答えをいただければと思います。

〇五十嵐公園計画担当部長 埋立地に整備した都立公園は、葛西臨海公園、夢の島公園、潮風公園、東京臨海広域防災公園の四公園で、現在、合計約百四十五・八ヘクタールを開園しております。

〇河野委員 私が住んでいる江戸川区には、都立の葛西臨海公園があります。区民が大変誇りにしている自然豊かな公園です。南北に長い地形の江戸川区の南の端に位置しておりまして、東側にありますディズニーランドあたりからの初日の出が望めますので、大みそかの一晩だけでも何万人もの人が来園してきています。水族館やサンクチュアリーもありますから、幼稚園や高校生など幅広い子供たちが遠足や修学旅行にも訪れているという公園です。
 歴史をたどりますと、葛西臨海公園は、東京都が施行者となって、埋立事業と区画整理事業によって整備した公園であります。この二つの事業は四十年以上前から取り組まれましたが、当時の東京都は、葛西臨海公園の建設に当たって、施行者としてどのような基本的な考え方で臨まれたのでしょうか。現在の東京都は、区画整理事業は都市整備局の所管でありますが、この時代、区画整理は建設局が担当されていたそうで、ちょっと今の所管と違うのですけれども、この葛西臨海公園の整備に当たっての歴史や当時の基本構想などについてお伺いをいたします。

〇五十嵐公園計画担当部長 葛西臨海公園は、葛西沖開発土地区画整理事業の一環として、公有水面及び海面に水没した民有地等の埋め立てにより整備され、平成元年に開園いたしました。
 葛西臨海公園の整備計画では、海との深いつながりを長い間持ってきた葛西地区の歴史を踏まえながら、海辺の自然と調和のとれた公園とするものとし、それが地域の振興、活性化にも寄与するような計画とすることを基本的な考え方としております。

〇河野委員 その当時の葛西は、一九六〇年代から七〇年代にかけての高度経済成長の影響もあって、地下水のくみ上げなどが行われて地盤沈下が大変著しい地域でありました。水面下に沈んだ民有地も数多くありました。遠浅の海が何キロも続く葛西の地域で、水没の民有地と公有水面を埋め立てる計画は、民間事業者も含めて、長年いろいろ計画されていたようでありますが、最終的に、東京都が施行者となって埋立事業と区画整理事業が進みました。
 江戸川区が発行しているパンフレットがあるのですが、区画整理事業、区内の歴史というような内容のものなんですが、このパンフレットを見ますと、この時代の東京都の担当職員の方々が本当に苦労して埋立事業と区画整理を施行された様子がよくわかります。水没民有地と公有水面を埋め立てて区画整理をするのは初めての取り組みだったからであります。江戸川区民の協力、努力も大きなものがありました。
 葛西沖開発土地区画整理事業は、総面積が約三百八十ヘクタールに及びます。事業費は、昭和四十年代当時のお金ですけど、九百二十七億円、そのうち保留地の処分金が約八百億円ですから、大変な地域の協力もありましたし、減歩も、公共減歩と保留地減歩を合わせて、合算減歩率は四三・二六%という数字を出しています。農業と漁業を営んでいた葛西地域の地権者には大変大きな負担が伴いました。区画整理と埋め立てで、漁業権を放棄して農地を手放したわけであります。
 このような地域住民の負担と協力のもとで生み出された土地に、現在、八十一ヘクタールの面積の葛西臨海公園がつくられております。先ほどの、埋立地に整備された都立公園と比較して、葛西臨海公園は、また違った、特別の歴史を持って造成された公園である、このことを私は多くの人に認識していただきたいと思っています。
 続いて伺います。
 一九八九年に開園して、今、二十五年になろうとしているこの公園は、樹木が立派に育ち、緑があふれています。植物、昆虫、鳥類、魚類と、まさに生物多様性のすばらしさを肌で感じられる場所になっています。
 たくさんの人々の憩いの場ともなっていますが、葛西臨海公園について、今どのような評価、認識をされているのか、このことについて東京都のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

〇五十嵐公園計画担当部長 葛西臨海公園は、葛西臨海水族園やバーベキュー広場、レストハウスを備えるなど多様なレクリエーションに対応しており、年間三百万人を超える利用者がございます。また、東京都地域防災計画において避難場所及び大規模救出救助活動拠点に指定されており、防災上重要な公園でもあります。敷地の東側に広がる鳥類園は、干潟、池、草地、樹林地などが整備され、バードウオッチング等に利用されております。
 このように、葛西臨海公園は、都民のレクリエーションの拠点であるとともに、自然に触れ合うことのできる公園であります。

〇河野委員 今おっしゃったとおり、本当に多様な、生物多様性というんですか、そういうことが、私たちが行くと感じられる大事な場所です。ここにはスズガモが数万羽、カンムリカイツブリが数千羽訪れておりまして、鳥類の研究者の人たちに聞きますと、この数はラムサール条約に指定されてもよい規模の野鳥の数であり、こういう野鳥が生息しているこの公園は本当にすばらしいということがいわれております。その他、希少種の動物なども生息する自然の宝庫であります。
 私は、江戸川区で出しました、区画整理事業のことを書いた冊子を見てつくづく感じたのですけれども、こういうパンフレット、これは写しですけども、持ってまいりました。東京湾の周辺の自然が埋め立てにより急速に失われていく中で、葛西沖は、三枚洲と呼ばれる高洲を中心とした干潟で、沖合まで遠浅の海が続いており、ハゼやアサリなどの魚介類も豊富で、野鳥もたくさんやってきていた、このような東京都にただ一つしかない自然のままの海辺を残すために、自然保護を重視した開発を進める、これが東京都の当時の職員の人たちの考え方であり、同時に、自然保護とともに自然を取り戻すまちづくりも進めて、JR京葉線の南側には都民の憩いの場として葛西臨海公園を建設、いろいろな施設をつくって緑のネットワークを形成する、こういうことがいわれています。この自然保護の背景には、かつて人と鳥や海の生き物がともに自然な形で生きていた昔の葛西沖を取り戻そうとした大勢の人たちの努力の結晶であったということが、区画整理の歴史の中でいわれております。
 私は、こういう東京都が努力された葛西臨海公園は非常に貴重な場所だと思うのですが、地域住民と先人が多くの困難を乗り越えて整備したこの公園、年間三百万人の来園者が憩っているところですけれども、これまで育んできた自然環境や緑を将来に向けて守っていく、このことを心から都に望むものでありますけれども、今、東京都建設局の職員の方々が、これから先、どのようなお考えでこれまでの取り組みを引き継いでいかれるのか、決意をお伺いしておきたいと思います。

〇五十嵐公園計画担当部長 開園から二十五年が経過し、施設の老朽化やユニバーサルデザインへの対応など、時代の変化に即した公園施設の改修や機能の更新も必要となってきております。
 今後も、さまざまなレクリエーション利用と、都民の安全・安心のため防災機能の拡充を図るとともに、自然にも配慮しながら、多くの都民に親しまれる公園となるよう適切な管理運営に取り組んでまいります。

〇河野委員 ぜひよろしくお願いします。
 最後に、もう一言申し上げておきます。
 先日、東京開催の二〇二〇年のオリンピックに向けて、招致委員会がオリンピック施設予定地の環境アセスメントを行ったことが報道されました。それによりますと、葛西臨海公園に建設が計画されているカヌーのスラローム施設が仮に計画どおりにつくられたとしたら、葛西臨海公園の緑被率は,現在の六三・三%から三二%へ半減する、このことが明らかになっていました。お隣に、新木場ですけども、ちょうど夢の島公園がありますけれども、ここにも施設計画があります。ここの公園の緑被率は、五六・六%から五・九%と十分の一になってしまうということであります。
 都立公園は、都市公園法や都の条例で、公園の面積に占める建設物の規制をする規定も設けられています。一層、これから公園の自然環境を守るために、その基準に基づいて、東京都が貴重な都立公園の緑と生態系を守るように役割を果たされるよう求めて、質問を終わらせていただきたいと思います。