都議会都市整備委員会での河野ゆりえ都議会議員の質問

2007年11月29日

河野委員
 私は陳情について意見を申し上げます。
 都営住宅の建てかえ計画で、居住者が直面している切実な思いが込められた陳情だと思います。私は、先日十一月六日の事務事業質疑で、建てかえで移転した高齢者の方の生活の現状を述べて専用面積の拡大等を都に求めましたが、陳情者も同じ思いだということがわかりました。
 都営住宅は、法律に基づいて所得の少ない人の生活を維持させていく上で、やはりセーフティーネットということで、公が責任を持って住宅を供給するという大事な住宅の制度だと思います。そういう点では、生活維持ができるだけの家賃の負担、応能応益という言葉がありましたけれども、やはり能力に応じた、生活水準に応じた家賃を設定するということが必要であると考えます。
 さらに、集会施設の充実についても求められておりますが、私が住んでいる江戸川区に、数十戸の東瑞江都営アパートというのがあります。ここに、この陳情者が求めておられる近隣開放型の集会施設と位置づけられたようなものがありまして、ここは、高齢者の方とか女性のサークル団体とかがそれぞれ団地自治会の役員さんに申し込みをして、自分たちの活動に生かしているという施設になっていて、都営住宅と併設されたこういう集会施設があるということは、地域にとっても大変ありがたいことだなというふうに感じています。
 そういう幾つかの点で申し上げましたけれども、本陳情については、住民同士が生活を支え合ってコミュニティの形成に努めていく、そういう願いが込められておりますし、団地自治会が挙げて都議会に陳情を提出されている、このことを重く受けとめて、陳情者の要望に対し東京都が努力していただくことを求め、陳情の趣旨採択をお願いして発言を終わります。

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河野委員
 私は、押上・業平橋駅周辺地区地区計画、それと都市高速道路五号、六号線の車線拡幅、それから江戸川区篠崎地域の都市計画道路、公園緑地の変更について質問をいたします。
 最初に、押上・業平橋駅周辺地区の地区計画と新タワーの建設に関係して伺いたいと思います。
 NHKと在京民放五社が新タワーの建設を墨田区押上・業平橋エリアに決めたのは、昨年の三月三十一日でありました。今回地区計画が示された地域は、新タワー建設予定地の六・四ヘクタールの区画整理地域が入っております。区画整理事業は既に区画整理組合が設立されているとのことですが、そこの地権者は、東武鉄道、京成電鉄のほか、民間地権者十数人と聞いています。そのうち東武鉄道の所有地が八〇%近いということも聞いております。
 まず伺いたいのは、区画整理事業についてでありますが、事業費と、都の負担する補助金などについてお示しをいただきたいと思います。

座間民間開発担当部長
 土地区画整理事業におきます都の財政負担でございますけれども、事業費全体で約八十六億円でございます。このうち東京都の負担金としては、補助金といたしまして約三十四億円、事業費に対する割合として約四〇%となっております。

河野委員
 そうすると、事業費八十六億円ですか、そのほかの財源としてはどのようなものがあるか、もう少し詳しくご説明いただけますか。

座間民間開発担当部長
 事業費といたしまして八十六億円のうち、補助金と、保留地処分金が補助金のほかにございます。金額は約十億円でございます。

河野委員
 私がお聞きしているところによりますと、事業費は約八十六億三千万、そして保留地処分金十一億ということで、あとは国と都から補助金という形で入ってくるというふうに承っておりますが、それで間違いなければ後でご答弁いただきたいと思いますが、そうであれば、この区画整理事業については、保留地処分金のほかは大半が国や都のお金で実施されるということになります。
 次の質問ですが、現在示されている新タワービル建設計画は、延べ床面積が二十三万平方メートル、三十一階建て、一番高い棟が百六十メートルの高さ、一階から三階は商業床になると聞いています。タワーそのものの高さは六百十メートルということで、相当高い構造物になります。
 新タワーを誘致する地元の墨田区は、このタワー構想について三つのメリットを挙げています。一つは都市防災上の安全機能の向上、二つ目は集客効果と地域活性化、経済への波及効果、そして三つ目が観光と産業の融合、ものづくりのまち墨田の可能性を求めていくというものですが、私は、この点について東京都の見解を幾つかお伺いしておきたいと思います。
 第一、防災の問題です。このビルとタワーの建設で、防災機能はどのように果たしていくのでしょうか。そしてまた、墨田区はご承知のとおり東部低地帯に位置しております。地盤は非常に軟弱だといわれておりますが、その軟弱地盤のところに、六百十メートルもの高さの構造物が一緒になった大きな商業ビルをつくるわけですから、耐震性については十分な検証がされていることが必要だと思います。とりわけ六百十メートルもの高さのタワー、これは今、長周期地震波、この問題が大きく注目されている中で、この長周期の地震波との関係では、本当にきっちりと耐えられるものかどうか、そういう懸念も出されております。
 この防災問題で、二点についてご答弁をお願いします。

野本都市づくり政策部長
 区が決定する地区計画の整備方針において、新タワーゾーンに防災広場を整備し、平常時は交流空間として、災害時には来街者等の一時的な避難空間として活用することとしております。
 また、本地区は墨田区基本計画において新たな防災の拠点として位置づけられておりまして、防災行政無線網の強化や高所カメラの増設を行い、災害対応力あるいは情報収集能力の向上を図ることとしております。
 もう一つのタワーの耐震性能についてでございますけれども、事業者が環境局に提出しております環境影響評価書案に係る見解書では、タワーの耐震安全性については超高層建築物と同様に、学識経験者により審査を経て、国土交通大臣の認定を取得すると記載されております。

河野委員
 タワーの長周期地震動と、エレベーターも当然設置されるでしょうから、その安全性などについては、地域住民の方から意見も多く出されているということを申し上げておきます。
 タワーは電波塔でありますから、電磁波のことも心配されています。電磁波が小児白血病の健康被害の原因になる、こういう懸念から、昨年一月、WHO、世界保健機構では、電磁波による健康被害の有無は現時点では断言できないとしながらも、予防原則という立場から対策を先行させるという方向に変わってきております。下町墨田区は密集した市街地であり、新タワー建設予定の隣接地には都営の押上アパートもあります。近隣住民への電磁波の影響、これについてはどういうものが判断としてあるんでしょうか。

野本都市づくり政策部長
 電磁波による影響でございますけれども、事業者が環境局に提出した環境影響評価書案によりますと、予定されている放送塔による電磁波の発生状況は、総務省の電波防護指針、この基準値を大きく下回る値となっております。
 また、評価書案に係る見解書によりますと、事業者は、放送事業者等と協議して、電波防護指針を遵守するとともに、定期的に電波環境を測定し、適正な管理運営を行っていくとしております。

河野委員
 今お答えいただきました総務省の電波防護指針ですか、これなんですが、日本の国の基準は国際基準に比べるとかなり緩やかだというお話もあります。健康被害の心配、特に子どもさんの小児白血病ということもありますので、ぜひこの電磁波の問題については、東京都も今後注意を払っていっていただきたいということを要望として申し上げておきます。
 地区計画の問題で伺っていきます。
 この事前説明資料、黄色いページのですね、一五ページにゾーニングが示されております。それぞれゾーニング、機能再生ゾーンとか新タワーゾーンとかにぎわいゾーンとかありますが、最初に伺いました墨田区の見解の二点目、地域の活性化と経済波及効果に関して伺っていきます。
 この新タワービルの区画整理区域の周辺を取り巻くように、にぎわいゾーンということで位置づけられておりますが、浅草通り、そして押上通りに沿って今商店街が立地しています。墨田区は全国的にも中小商工業者のまちとして有名でありますけれども、今、さまざまな理由の中で、墨田区内でも商店街の衰退は否めないものがあります。墨田区の関係者のお話によりますと、この五年間だけでも七つの商店街がなくなっているとのことでした。計画では新タワーに年間五百万の集客を見込んでいるとのことです。数百万人の人がタワー見学などに来ても、ほとんどの人がこのにぎわいゾーンに足を運ぶのかどうかということが問題だと思うんですが、私たち一般的な消費活動をする主婦の立場から考えると、新タワービルの商業施設内で買い物や食事がもう済んでしまう、消費活動が完結してしまうということが起こるのではないでしょうか。近くに業平橋駅があって浅草にも出られますし、押上駅には半蔵門線が入ってきています。そういう点では交通も都心に向けて非常に便利なところに位置しているわけですが、そういうところに立地する新タワーというので、新しい名所にはなりますが、そのことが果たして周辺のこの地区計画地域を中心としてにぎわいゾーンということで位置づけて、地域の活性化につながるのかどうか。その点では私、一定の疑問を持つんですが、墨田区が長い間中小企業のまちと評価されてきたその伝統が守れるかどうかということが、今度の新タワービル建設にかかっていると思うんです。
 にぎわいゾーンという位置づけについて、商店街対策、中小企業振興対策、これはどのような対応が考えられているのか、お答えいただければと思います。

野本都市づくり政策部長
 周辺商店街のにぎわいであるとか活性化ということでございますけれども、地元の墨田区では、平成十九年三月に策定しました商業活性化すみだプログラムでは、押上・業平橋地区の目標の一つに、タワー街区の商業と周辺商業が補完し合うということを定めまして、商店街の活性化を図る取り組みを行っていると聞いております。

河野委員
 本当にこのにぎわいゾーンが名前のとおりにぎわい、地域経済を活性化させるゾーンになることを私は望むものなんですけれども、そのようになるように都もぜひ支援してあげていただきたいと思います。
 それで五百万人の集客を見込むということは、車や人の動き方、動線ですね、それについても十分な対策が必要だと思います。新タワービルの中には一千台の駐車場がつくられ、そして一日、一万一千台の車の走行が集中してくるという予測もされていると聞いています。そしてまた、北十軒川、新タワーゾーンの南側に位置する北十軒川ですね、ここに沿って区画整理事業で道路をつくる計画のようでありますけれども、地区計画区域内の道路状況を見れば、北側の水戸街道寄りの方ですね、これは大変狭隘な道路も数多くあります。こういう点で、交通渋滞、交通事故を誘発する可能性が懸念されているわけなんですけれども、車両交通や人の流れについての安全策などについて検討していることがあれば、その状況をお示しいただきたいと思います。

野本都市づくり政策部長
 新タワーゾーンの開発に伴う交通量は、環境影響評価書案によりますと、ただいまご指摘のように、平日では約一万一千百台、休日では約一万二千七百台の予測となっております。
 発生する交通量につきましては、開発地内に約千百台規模の駐車場を整備するとともに、主に敷地内に設ける交通ロータリー、これで交通処理を行う予定でございます。
 また、業平橋駅と押上駅間を連絡する歩行者空間といたしまして、幅員約四メーター、それから延長約四百メーターの東西通路の整備を図ると、区が決定する地区計画の方針に定めております。
 これらの対策によりまして、周辺道路における交通は円滑に処理できると考えております。

河野委員
 そうすると、私が今質問いたしました機能再生ゾーンのあたりから北側にかけてにぎわいゾーンの方向とか、このタワービルができる周辺について、車両交通などについてはほぼ心配ない状況で道路網が整備されていく、そして今の道路も使いながら十分な対策が講じられるということになりますでしょうか。

野本都市づくり政策部長
 ただいま申しましたように、幾つか述べた対策によりまして、周辺道路における交通は円滑に処理できると考えております。

河野委員
 それではこの質問で最後に伺っておきたいんですが、私の記憶の範囲内ですけれども、かつて、数年前、石原知事が記者会見で、今どきタワーでもないだろう、光ファイバーなどの通信の手段もあるんだし、といった意味の発言をされたことがありました。今なぜこのように高い、六百十メートルもの新タワーがこの下町地域に必要なのかという点では、いろいろな方からのご意見も伺う機会があります。
 それぞれの立場であるんですが、ある方は、今、世界では高いタワーということから方向が変わってきている、ケーブルとか、知事が例示した光ファイバーとか、そういうほかの方法で放送を確保している、そういうことも起こっているし、電磁波の問題もあるし、世界の流れとしては高い放送タワーを建てる時代ではないということがいわれているんですが、新タワーの必要性、東京に今なぜこれが建てられなくてはならないのかという点で、都の見解をこの機会にお聞きしておきたいと思います。

野本都市づくり政策部長
 今回提案させていただきました案件は、押上・業平橋駅周辺地区における土地区画整理事業の進捗に合わせた用途地域変更でありますけれども、その上であえて答弁いたしますと、環境影響評価書案に係る見解書では、地上デジタル放送やワンセグ、防災無線等は、都心部に林立する二百メートル級の超高層ビルの影響を受けにくい高さからの送信が望まれており、年々増加する超高層ビルの約二倍以上の高さから電波を発射するこの六百メートル級のタワーは必要である、事業者はそんなふうに見解書で述べています。
 また、光ケーブルの普及が進んでいるというような今ご指摘もありましたけれども、事業者は、非常災害時には電波による放送が有効であると記載しております。

河野委員
 六百十メートルというのは現在の段階では世界で一番高いタワーになるようですけれども、今皆さんが心配されているような電磁波とか交通問題とか、このタワーが東京の一つの新しい名所ともなっていくのかもしれないんですけれども、さまざまな問題をはらんでいるということも受けとめていただいて、都としても見守っていく、そういう懸念のないような形で対応されるようにこの機会に求めておきます。
 東京新聞が十一月二十六日付の朝刊で、墨田区が住民の人たちに情報公開をこの問題で求められて、まちづくり協議会、仮称のようですけれども、これを設置したと報道しました。地域住民から、新タワービル建設や地域のまちづくりについて情報が届いていないというか、少ないという、そういう声が上がって、まちづくり協議会の設置に至ったということが書かれています。
 東武鉄道を中心にした新たな開発事業の中で、三十数ヘクタールの地区計画の地区内とその周辺住民に対しては、今、あなたのおうちを売ってください、土地を売ってくださいと業者が訪ねてくるようになっていたりして、土地バブルの再来かといわれるような、まさに地上げというような状況も起こっていると聞いています。このままでは地域住民が住み続けられないまちになっていくのではという不安の声もありますので、住民に安心感をもたらすまちづくりが進められるように都の特段の努力を求めて、この問題での質問を終わります。
 次に、高速五号線と六号線の車線拡幅に関連して質問をいたします。
 五号線と六号線の工事に当たって、それぞれの事業費、そして都が負担すべきお金ですね、それから事業の完成年度、この三点についてお答えをお願いいたします。

遠藤外かく環状道路担当部長
 ただいま三点お尋ねがございました。
 初めに、事業費でございますけれども、事業予定者でございます首都高速道路株式会社では、現時点におきまして、五号線の方につきましては二百五十億円程度、六号線の方につきましては百から百五十億円程度と、このように算定してございます。
 次に、都の負担でございますけれども、この二つの事業とも、これまでの例によりまして、都の出資対象事業と推定されるところでございますが、具体の都負担の額につきましては、今後関係者間で協議していく、こういうふうになります。
 それと三点目の完成目標でございますけれども、両事業とも中央環状線が全線開通を予定しております平成二十五年度まで、これを目指すことといたしてございます。

河野委員
 私は江戸川区に住んでおります。中央環状葛飾江戸川線をしばしば使います。葛飾区の六号線は土手沿いの道路の上に高速道路があるから、下の民家には余り影響がないという、そういう地理的な条件だというふうに感じられる方もいらっしゃるかもしれないんですが、実際は高速道路の下の住民の皆さんは自動車の騒音などで大変悩みを持っています。
 小菅、堀切間の車線拡幅もいろいろな問題を含んでいるわけなんですけれども、今回は幹線道路、山手通りに沿って走っております五号線の車線拡幅に関連して、以下、何点かお伺いをいたします。
 五号線の板橋、熊野町ジャンクションの拡幅工事区間の現在の車両交通量、これはどうなっているでしょうか。
 それからまた、首都高速株式会社が独自にこの区間の環境アセスメントを実施しているようでありますけれども、何年度を予測の年次にしてアセスが行われたのか、そして予測した将来交通量についてはどのようなものだったのかをお示しください。

遠藤外かく環状道路担当部長
 初めに、現在の交通量でございますけれども、首都高速道路株式会社が平成十八年に行った調査によりますと、当該、板橋、熊野町ジャンクション間の上り線と下り線を合わせました交通量、一日で約十一万台、このようになってございます。
 それと将来交通量でございますけれども、この箇所が今後ピークを迎えるであろうと想定されます、見込まれます平成三十二年を予測の年次と考えまして、上り線、下り線を合わせまして一日の交通量を約十六万五千台と、このように推計しているところでございます。

河野委員
 品川線、新宿線とずっとつながって熊野町に入っていくわけなんですが、平成二十五年以降もふえ続けて、平成三十二年がピークで、そのときには今の十一万台の五割増しの十六万五千台ということは大変な−−一車線ふえることでこれがどういうふうな状況が生まれるのかというのはとても心配になる今のご答弁だったと思います。
 それで、五万五千台の走行車両がふえたことで、周辺環境への影響はどうなのでしょうか。工事区間の近くにある板橋区の大和町交差点、ここはご存じのとおり、NO2、二酸化窒素の測定値が毎年ワーストワンとかワーストツーとか、悪い値が出ています。拡幅工事によって走行車両がふえれば、現在より環境は悪化すると考えるのが当然なのではないでしょうか。
 大気質、騒音、振動などについて、現状とそれから今後の開通後の問題で比較した数値、ありましたらお示しください。

遠藤外かく環状道路担当部長
 現況と予測の数値でございますけれども、大気につきましては、二酸化窒素、NO2の現況値、熊野町測定局ですけれども、平成十八年のデータで〇・〇六一ppmとなってございます。これが先ほどの平成三十二年度、予測でございますが、〇・〇四九ppm、このように改善されるというふうに考えてございます。
 それと騒音につきましても、近接の空間でございますが、昼間、西側の例でございますけれども、七二デシベルの現況に対しまして予測値で七一デシベルと、こんなような予測をしてございます。
 それと振動につきましても、昼間、西側で、現況値五一デシベルに対しまして予測値で五三デシベルと、このように予測してございます。

河野委員
 現状で〇・〇六一の二酸化窒素の測定値があって、これは環境基準を超えているわけですが、予測どおり〇・〇四九ppmに本当になるのかという点では、大変疑問です。
 車の単体規制が進むとか、いろいろな道路構造を変えて環境対策をとっていくとかということがありますけれども、研究者の人たちは、自動車の単体規制が進んでも、車が集中してくれば、そこの地域についていえば環境はそれほど改善されないということをおっしゃっている方もいらっしゃいますので、私たちはこの問題をこれからもきちんと注目をして、本当に、都が今アセスを根拠にしてご説明いただきましたけれども、そしてここの事業者の主体は首都高速株式会社でありますけれども、しっかりと関心を払ってこの環境問題を見詰めていきたいということを申し上げておきます。
 あと、今回の車線拡幅工事を実施していくということに当たりまして、東京都と首都高速の株式会社の方で、都市計画変更案に関連して住民説明会を開かれたと聞いています。参加した住民の皆さんから出されたこの都市計画変更案に対して、あるいは環境問題などについての意見をご紹介いただきたいと思います。

遠藤外かく環状道路担当部長
 説明会でございますけれども、先月の四日と五日の二日間にわたりまして、板橋の地元で素案の説明会をいたしております。都市計画素案や事業そのものに対する反対の意見はございませんでした。
 なお、環境にかかわる項目といたしまして、遮音壁のかさ上げにかかわるものとか、あるいは電波障害が発生した場合の補償などの幾つかの要望があったところでございます。

河野委員
 遮音壁などについて要望があったということでありますが、私たちが聞いている範囲では、この地域の住民の皆さん、参加した方々それぞれが環境問題について意見を述べられているようです。現在でも騒音と振動が耐えられない、静かな夜が欲しい、自宅の換気扇のフィルターをわざわざお持ちになって、この汚染の中で毎日暮らしているんですよ、何とかしてくださいという声があったということも聞いております。そういう点では本当に今、事態がひどいという、皆さんが、環境負荷がかかっているこの熊野町と板橋の間のジャンクションの下で山手通りに沿って、大変な思いをされて生活しているということがうかがい知れるのではないかと思います。
 これ、質問の最後に伺っておきますが、現在の三車線の高速道路でも、周辺住民は環境の悪さを、今ご紹介したように訴えているわけです。今後中央環状品川線が完成しさらに都が街路事業として工事を強行している−−中央環状新宿線が完成して、その後、品川線が平成二十五年完成ですけれども、車が板橋区にも集中している、地上に上がってくることは避けられません。道路をつくれば車は分散するということではなくて、むしろ反対に集中してくる、増加するということを専門の研究者もいっています。将来にわたって住民の健康被害をきちんと防いでいくこと、環境改善に努めていくというのが都としての、本当に自治体としての責務と考えるものなんですが、拡幅工事による住民生活への影響、今後について、先ほど環境アセスでは心配ないんですよということなんですが、現状に照らし合わせて、本当に十分な保証、大丈夫だという保証があるのかどうか、再度都の見解を伺っておきます。

遠藤外かく環状道路担当部長
 都は、現在、首都圏におきます交通渋滞の緩和や環境の改善を図るために三環状道路の整備を進めているところでございます。
 中央環状線につきましては、先ほど申し上げましたように、平成二十五年度の全線完成を目指しているわけでございます。こうした中央環状線の整備効果、道路ネットワークとしての効果を十分に発揮させるためには、現在供用している区間におきましても、ボトルネック対策など局所的な対策を講じまして、それを全線完成を見据えて取り組んでいくことが大変重要である、このように考えておるわけでございます。
 今回、放射線と交差します板橋区内と葛飾区内の二カ所につきまして、ジャンクション付近の拡幅をするという都市計画変更を提案しているわけでございます。先ほどアセスの中でも申し上げましたように、答弁の中で申し上げましたように、遮音壁のかさ上げとか、あるいは橋のつなぎ目を減らす対策なども、この事業の中、工事の中で実施していくことといたしておりまして、そうしたことを十分に講じながらこの事業を進めていきたいというふうに考えてございます。
 東京の最大の弱点であります交通渋滞を緩和し、大気を初めとする環境の改善を図る上で、これら二つの事業は不可欠な事業だというふうに考えておりまして、今後とも具体化に向けた取り組みを鋭意進めてまいる所存でございます。

河野委員
 対策も講じられるというご答弁ではありますけれども、やはり、今深刻な環境汚染の中で生活をされている都民がいらっしゃるということを深刻に受けとめていただいて、この現状を直視しながら、道路交通問題について都は一定の見解を持っていただきたいと思います。
 今多くの人たちが脱車社会ということで、公共交通網の整備を初めとして、環境汚染を引き起こす車から脱却する移動の自由ということもいろいろな方が研究していらっしゃいますので、そういうことも都政の中に反映させていただくように求めておきたいと思います。
 最後に伺いたいのは、議案の九、十、十一になりますか、都市計画道路二八六号線、二八八号線と緑地、篠崎公園の都市計画公園の変更についての問題です。
 今回、二八六号、二八八号の都市計画道路と、篠崎公園、江戸川緑地が、示された議案のとおり都市計画変更になるというか、なる計画が出されております。なぜこの変更案が出されたのか、その理由、背景についてご説明をいただきたいと思います。

升都市基盤部長
 今回の都市計画道路、公園緑地の変更の理由でございます。
 お手元の薄茶色の事前説明会資料でございますと、九九ページをごらんください。あわせて、後方のスクリーンに航空写真を映させていただきます。
 当地区では、都市計画道路補助二八八号線と都市計画篠崎公園が重複して決定されておりまして、既定計画のとおり整備いたしますと、開設済みの篠崎公園を分断することになります。そこで江戸川区では、現計画の道路機能を確保しつつ、公園及び緑地などの計画面積を確保するという考え方から、江戸川区決定によりまして補助二八八号線の線形を見直し変更することといたしました。
 この補助二八八号線線形変更に伴いまして、補助二八六号線につきましては、新たに補助二八八号線と交差点となる部分において、交通の円滑化を図るため一部線形を変更するものでございます。
 篠崎公園につきましては、補助二八八号線の変更に伴いまして、都市計画施設間の整合と公園の機能向上を図るため、また、江戸川緑地につきましては、補助二八八号線の線形変更によるほか、浅間神社の区域を江戸川区決定の特別緑地保全地区として都市計画決定することに伴いまして、変更するものでございます。

河野委員
 補助二八八号線が都立公園の中を走っている路線であるから、これを土手の方に大きく切り回すということが変更案の第一の理由というように、今ご説明を聞いて思いました。
 地域の人たちは、この二八八号線について、必要な道路なのかどうかということで、今の計画線のままもう何十年もこのまま引かれているわけですから、なくても何も不便がないわけなんですね。だからむしろ廃止していただいて、そのまますぐそばにあります鹿骨街道や柴又街道を使って交通の便は十分に果たせるということもあるので、あえてこの線が変更になるから、こちらにぐるっと回しますよというようなことをしなくても、私は、この地域の交通問題については住民の要望に沿ってきちんと対応できるんじゃないかと思っていますので、そのことを初めに申し上げておきたいと思います。
 時間の関係があるので、順次質問しなくてはなりませんので、次の問題について質問をさせていただきます。
 江戸川区は、この間、都市計画変更地域の中で、篠崎公園地区のまちづくり意見交換会として何回かにわたって住民説明会を開いています。区は、篠崎公園を含めて、江戸川河川の土手から約三百メートルの幅でスーパー堤防を建設すること、あわせて篠崎公園の南側に接する地域で区画整理を施行するといっています。スーパー堤防と区画整理事業が一緒の形で行われるとすれば、都も、東京都自身が国直轄事業負担金や区画整理への財政負担をすることが求められるようになるわけですけれども、これらにかかる総事業費は幾らと積算されているのでしょうか。
 また、この事業のそれぞれの事業年度についてお答えをいただきたいと思います。

升都市基盤部長
 区画整理事業、これは区施行を予定されております。それからスーパー堤防はお話しのとおり国が事業をする予定になっておりますが、事業予定者である国土交通省や江戸川区からは、事業計画を策定する前の段階で、まだ事業費は算出していないというふうに聞いてございます。
 また、事業予定でございますが、補助二八八号線は平成二十年度、補助二八六号線は二八八号線の進捗に合わせて平成二十三年度の着手を目指すというふうに聞いてございます。
 また、土地区画整理事業につきましては、平成二十年度の事業化を目標としており、スーパー堤防につきましては、区画整理事業等の進捗状況を踏まえまして盛り土工事に着手する予定だというふうに聞いておるところでございます。

河野委員
 そうすると、わかっているのは、事業年度が、区画整理は平成二十年度に事業化を目指しているということと、都市計画道路は二八八号線がその区画整理と同じ年度に着手をしていこうということなわけですね。そういうふうに私は今お聞きしましたので、確認させていただきます。
 私、どうしても伺いたいことがあるんですが、治水と水防対策についての問題です。
 東京都のこれまでの考え方を、いろいろな議事録を見まして改めて振り返ってみました。昨年、平成十八年の第二回定例会で、石原知事は本会議の答弁で、東部低地帯のことに対する質問について答えておられます。この東部低地帯といわれる地域には多くの人口と資産が集積しておりまして、中でも、満潮面以下の区域に百五十万人の都民が生活している、このために高潮などに対する水害対策が極めて重要であると述べて、そして東京都としては、これまで長年にわたり防潮堤や水門の整備に力を注いできた、その結果、例のハリケーン・カトリーナの被害の際、あのハリケーンに匹敵するような伊勢湾台風級の高潮に対する安全性を確保しているということをおっしゃっているわけですね。だから大きな雨が降っても、この東部低地帯については、被害は今のところカトリーナ級でも心配ないですよという意味のことを石原知事はいっています。
 それからもう一点、ことしの八月に、都市整備局と建設局、下水道局が共同で、東京都の集中豪雨対策基本方針を出しました。この中では、東京のまちに降る雨、これの降り方が変わってきている。区部西部に集中した豪雨が起こる、降る頻度が高くなっているということから、この基本方針の対策エリアは区部西部を重点にするということで、江戸川区などの東部地域は豪雨対策基本方針の重点地域には位置づけられてないわけです。江戸川区などの東部地域でどうなのかと考えたときに、知事の答弁とか、都市整備局、建設局、下水道局のこの豪雨対策基本方針などに照らして考えると、私たちが住むこの江戸川区では、大洪水が起こる確率は極めて少ないというふうに判断されているのが東京都の今の立場なんじゃないかと私は思います。
 これらに照らして考えて、それならば、なぜスーパー堤防構想、水害対策のための構想が、今、この篠崎地域やあるいは江戸川では北小岩地域でも持ち上がっておりますけれども、なぜ江戸川地域にこの構想が、建設計画が持ち上がってきているのかというのが、住民の一人として私自身もどうしても理解できないんです。道路や公園、緑地の都市計画変更は今回出されましたけれども、スーパー堤防構想がその背景にあるということは、私たちは本当に感じ取っていくわけなんですけれども、なぜ今、スーパー堤防建設が必要なのか、国がどういう基準でこれを判断しているのか、そういうことについて都が掌握されていること、あるいは見解をお持ちであれば、お答えをいただきたいと思います。

升都市基盤部長
 今、委員のご発言の中で、非常に大きな洪水は起こらないと思っているのではないかというお話がございましたけれども、知事の発言は、先ほどお話がございましたように、これまでの高潮等や台風に対する安全性のお話をさせていただいたというふうに理解しております。
 また、私ども発表させていただいた豪雨対策、これは、今の都市型水害と集中豪雨に対するお話をさせていただいているところでございます。
 現在の江戸川の堤防は、当該地域を洪水や高潮から守り、都市の安全度を高めるために整備をされてきてございます。
 ただ、今回国が整備を行う予定のスーパー堤防は、堤防の幅を広げまして、堤防を越えるような極めて大規模な洪水が発生した場合の安全性でございますとか、水が堤防内に浸水していくことに対する安全性、さらには、地震に対する安全性を一層向上させるために行うというふうにしているところでございます。
 また、まちづくりと一体的に整備するということによりまして、土地の有効利用や親水性のある快適な空間が確保されるなどの効果を伴うものであるというふうに考えておるところでございます。

河野委員
 部長さん方はいろいろな委員会の場とかで、防災対策とか、それぞれしっかりと議会の議事録なども見ておられると思うので、釈迦に説法かもしれませんけれども、昨年の決算特別委員会の建設局の質疑のところで、東京のこの葛飾とか江戸川に大地震が起こった場合にどのような被害が発生するかということで、大雨が降って堤防が決壊したり、阪神・淡路大震災級ぐらいのああいう地震が起こった場合にどんな被害が起こるのかという点で、その確率、建設局質疑の中で答弁があるんです。それを見ると、大雨が降って堤防が決壊して、そこに地震が起こって、水がどんどんと江戸川なんかに流れてきちゃいますよ、江戸川区内なんかにきちゃいますよというのは、確率としては五万数千分の一だというようなご答弁もシミュレーションとして出ていますというのがありますので、ぜひ一度これは議事録を当たってみていただいて、都市整備局のこれからのまちづくりの参考にしていただきたいなと私は思っています。その点、局長を初めとして、皆さん、まちづくりの専門家なわけですから、ぜひごらんいただきたいと思います。
 私は、昨年の七月に利根川治水大会に参加いたしました。そのとき思ったんですけれども、スーパー堤防事業というのはかなり前から取り組まれています。国としては一九九一年に、東京を中心とした首都圏、それから大阪を中心とした近畿圏、いわゆる二つの大都市を中心とした二つの地域で、五河川六水系にスーパー堤防を整備するという方針を出したんです。それからかなり年数がたって、二十年以上たっていますけれども、全国的にスーパー堤防が整備された率は現在五・四%と聞いています。
 私が参加いたしました利根川治水大会で特別に発言された熊谷市長さんのお話をご紹介したいと思います。スーパー堤防は熊谷市でも検討してきた、しかし、お金がかかる、時間がかかる、そして地権者の住民合意がとりにくい、こういういろいろな隘路があるのでこれはなかなか進まない事業であるということを判断して、熊谷市としては別の河川整備方法、治水対策に転換をするような方法をとっているということもいわれています。
 そういう点では、今、スーパー堤防が、大きな雨が降ったときに堤防の幅を広げて極めて大きな降雨に対してそして地震も含めて防災対策上必要な事業である、というような考えをお持ちというご答弁もあったんですけれども、本当にそうなのかということで検討が必要な時期に入っているのではないかと思っています。スーパー堤防は本当に今、国としても、国土交通省は推進の旗を振りましたけれども、この二十数年たって五・四%しか進まないという状況を踏まえて、一体これでいいのかという見直しの時期に入っているということも伺っておりますので、東京都も、今回、国や都の事業ということで都市計画変更をこれにのせて出してきておりますけれども、この事業が本当に防災対策に有効なものなのかどうか、水防の対策になるのかどうか検証してみていただきたいと思います。
 大きく降った雨は、上流域で遊ばせる遊水池とか、上流地できちんと水が流れ込んでこない、被害が起こらないような輪中堤防とか囲繞堤防などの案も出されていますから、やはり今研究や調査の結果が進んでいるこうした、これまでの築堤やダムの建設で水防をしていくという方法のみに限らない、さまざまな手法が開発されているということを受けとめて、今回のスーパー堤防問題、これでいいのかということを考えてみていただきたいなと思います。
 それで篠崎公園に関連して伺いたいんですが、都立篠崎公園は東京都の公園です。昭和四十年代初めから今のような整備が進んでまいりました。木も育って、スポーツや憩いの広場としてみんなから親しまれています。今回の都市計画の変更によりまして、二八八号線の幹線道路が公園北側から周囲を取り巻く形で建設されることになります。江戸川の堤防沿いは、土手から平均で約三百メートルの幅でスーパー堤防のために盛り土されることになります。せっかく数十年かけて育てた緑を一たんははぎ取ることになってしまって、環境には大きな変化が起こるわけです。
 私、いろいろ当たってみたんですが、東京都の廃棄物審議会が、昨年六月に、循環社会への変革ということを理念にした答申を出しています。この答申では、産業廃棄物の中で建設泥土がふえ続けていることが記されて、シールド工法によるトンネル工事、くい基礎工事によって建設泥土が大量に排出されていて、この建設泥土のリサイクルが今有効に進んでいないと。このリサイクルをきちんと進めていくために、何に使うかということで、最終処分の場に、スーパー堤防がこの答申では挙げられているわけなんです。現在、都内ではご承知のとおり、中央環状新宿線などが地下高速道路としてシールド工法で工事が進められておりまして、大量の建設泥土が発生しているわけですね。今後、三環状道路の建設推進といっていますから、さらにたくさんの建設泥土が都市再生の路線のもとで発生されることが予想されます。超高層ビルの建設からも発生源として出てくることになります。巨大開発によって排出されてきた建設残土をどこに持っていくかということで選ばれたのが、最終処分場として、篠崎公園とか江戸川の北小岩の閑静な住宅地などが対象になってくる。これは本当に地域にとっては重大問題なんです。環境に優しいまちづくりは、都市整備として大事な仕事、これは都市整備局がきちんと位置づけられていると思うんですが、緑を失って、巨大開発による残土受け入れ場ともなる今回のようなまちづくりについては、いかがなものなんでしょうか、お考えをお聞かせください。

升都市基盤部長
 まず、緑地の緑の話が出ましたが、国がスーパー堤防事業を実施するに当たっては、篠崎公園の現在の樹木を一時的に移植するということになりますが、同事業による盛り土が完了した後には、また緑豊かな公園として原状復帰を図るというふうに今後調整を進めていくこととしているところでございます。
 また、盛り土の土の話が出ましたが、一般的に盛り土に使用する土というものは、土壌汚染対策法などに定める基準に適合した、建設発生土を使う場合は当然そういう基準に適合した土を利用するというふうになります。
 そしてお話しの答申、十八年六月の答申の中にはそのようなことが書いてございますが、その答申を受けまして、九月に東京都が定めました廃棄物処理計画の中では、スーパー堤防に使うということは書いてございません。ただ、都の関係部局が一体となって有効利用を推進するという形に書きかえてございます。
 また、答申の中では、最終処分としてスーパー堤防に盛り土に活用、と書いてある前に、当然にその泥土自体を中間処理をする、安定処理をするということで、基本的には、利用する場合には土壌汚染対策法に定める基準に適合したものとするという前提で書かれているものだと私どもは考えておるところでございます。

河野委員
 一回はぎ取った緑がまたもとどおりの豊かな緑になるには何十年もかかるんですね。私は篠崎公園は昭和四十年代から遊びに行っていますけれども、最初は本当に小さな木だったのが、今は豊かに緑が育っています。そういう点では、一回はぎ取ったものがもとどおりになるには数十年の歳月がかかるということも一つの問題ですし、私、土の質のことはいっておりません。国土交通省できちんと土を振り分けて、何がどういうところに適しているかというのを厳しく精査しているということは伺っていますから、その土の質が問題なのではなくて、シールド工法などによって大量に排出される残土の処理について、スーパー堤防が一つの選択肢として挙げられているということについて、非常に違和感を覚えるということを申し上げておきたいと思います。
 また、環境問題についていえば、ここの地域も北小岩もですけれども、区画整理事業がスーパー堤防とあわせて行われますから、結局のところが区画整理で家を壊して一回移転してまた戻ってくるということで、壊す家の建設廃材の大量発生の問題なんかも、環境負荷ということを考えると、大変大きな問題を起こすのではないかということも感じていることを申し上げておきます。
 スーパー堤防と一緒に江戸川区が区施行で予定している区画整理の問題です。篠崎の公園のそばの地域、これを、非常に狭い地域なんですが、A、B、Cの三地区に分けて事業化すると説明されています。Aの地区は、今回特別保全緑地指定地区になるところも含めて江戸川緑地として、そういう方向で緑の土地にしていくということで位置づけられているんですが、その中に住んでいる、今、家のある人たちはみんな一回どこかへ行ってもらうというのが区の説明の資料にあるわけなんですね。住めないわけです。隣のB、C地区は区画整理をしますと、減歩の負担、一三%平均減歩率、皆さん負担してもらいますよ、こういう説明なんですが、私がきょうお話ししたいのは、一点、お寺の問題です。
 現在、居住者がたくさん住んでいるA地区の中には、開山七百三十年を迎えるお寺さん、妙勝寺さんという名刹があります。この寺院は今回このスーパー堤防事業がかかっている地域にちょうど当たっているわけですね。この区画整理の隣にB地区というのがあるんですが、A地区の中にあるお寺がそっくりそのまま墓地も含めて、隣の区画整理地域のBに移転してくださいといわれているそうです。このお寺さんは、昭和四十年代に都立篠崎公園が整備されたときにも、お寺の墓地を公園整備のために移動しているんですね。公共工事に協力するという立場から、墓地の移転を求められたわけです。そしてそれを実施したわけです。今回またしても、地域の住民の人たちがいろいろな形で異議を唱えているスーパー堤防と区画整理事業、都市計画道路の変更などのために、寺ごと、お墓ごと移りなさいというのは、たとえすぐそばの隣のB地区であってもこれは承服できない問題だということをご住職は訴えておられますし、檀家の皆さんもこぞって反対の声を上げておられます。
 きょう、委員長にお許しをいただきまして、私、二枚写真を持ってまいりました。これが篠崎公園の土手に近いところにあるまちで、こういう戸建て住宅が、篠崎はまだ畑がたくさんありますから、畑の向こうの方にいっぱい住宅が建っていて篠崎公園の方にはお店もあったりして静かな住宅地で車の渋滞もほとんどないような地域なんです。こういう地域と、これはお寺さんにお許しをいただいて持ってまいりましたが、お寺さんも、門前、山門のところに、こうやってスーパー堤防反対ということで高々とのぼり旗を掲げていられるんです。これがこの地域の実情なんですね。
 その点で、私はお寺さんのお話をちょっと、時間の迫っていることも承知しておりますけれどもご紹介したいんです。このお寺さん、第四十五世のご住職なんだそうですが、明治十一年以降、東京全体の河川のはんらんは何回あったかということで調べたそうです。十五回あったうち、江戸川のはんらんは明治二十九年にあったけれども、これは野田の地域、千葉の方ですね、ここで自然堤防の環境の中で一度だけ決壊をした、堤防がですね。江戸川区内では百年以上ただの一度も堤防は壊れたことがないというふうに、調べた結果、書かれています。そしてお寺さんが今思っていることは、このお寺さんの墓地も昭和四十一年、現在の篠崎公園建設のため境内に移転させられ、今ようやくご先祖様のみたまも安らかに眠っておられますと書いてあります。そして今、このスーパー堤防の工事が降ってわいたように知らされたわけなんですけれども、どのようにして次の世代を担う子どもたちに、文化、伝統、先祖や宗教への畏敬の念、近隣との助け合いの心を伝えていくのか本当に疑問だ、古いものを何もかもぶち壊し、根拠のない大規模な公共事業を私は認めるわけにはいかないと、地域のほとんどの人たちが反対しています、安住の地として満足していた生活を突然追われるような過酷な立場を強いられる、この悲惨な状況に落ちていることを行政は十分に認識してほしいということを、スーパー堤防事業に関して綿々と述べられております。全部は紹介できませんけれども、こういう地域の状況があるわけです。
 そういう点で私が伺いたいのは、この檀家のご先祖様のお墓を守ってきた大事な役割のお寺が、二度にわたって公共事業、公園づくりとスーパー堤防や区画整理のためにお墓ごと移転を迫られるということがあり、そして関係住民に対しては、本当に精神的にも物理的にも大きな負担を押しつけていくような状況が生まれている、これが現実なんです。
 都は、今回、都市計画の変更、緑地、公園、都市計画道路の線引きの変更で出されてまいりましたが、スーパー堤防と確実にリンクしているこの事業に対して、どんなふうな受けとめをされておられるか、お答えをいただきたいと思います。

升都市基盤部長
 妙勝寺さんのお話がございましたが、お話がありましたように、お寺につきましては、区画整理地域内でございまして、区画整理事業の中で、隣接地に換地により移転することで今調整をしているというふうに区から聞いているところでございます。
 現在、お寺には江戸川緑地が都市計画決定されておりまして、お話のように、A地区の部分では緑地の用地買収が始まるわけでございます。そういう意味では、今のお寺さんも買収の対象地だということになります。区としては、地区内に可能な限り住み続けられるという意味からも、区画整理の中で、お寺さんについては換地で隣接地に移転してもらうということで調整をしたいというふうに考えているところだと聞いているところでございます。
 また、そのほかのところにつきましても、移転を要する方々につきましては、江戸川区が近隣に代替地を用意しているというふうに聞いております。そういうことが活用できるように十分配慮しながら事業を進めていくということで、繰り返しになりますが、可能な限り地区内に住み続けられることができるよう配慮しながら、区としては事業を進めていきたいというふうに聞いておるところでございます。

河野委員
 ご自分お一人お一人が、お父さん、お母さんのお墓があったり、おじいさん、おばあさんのお墓があったり、ご先祖様のお墓がある、そういう方が多いと思うんですが、そのお墓がこういう公共事業のために何回も何回も、どいてください、移ってくださいなんていわれた場合に、みずからに照らしてみてどんなふうに思うかというのを、このまちづくりに当たって改めて皆さんにお考えいただきたいということを私は一言申し上げておきたいと思います。
 江戸川ではスーパー堤防事業はこの江戸川の河川沿いだけではなくて、荒川の方でもやられてきました。荒川沿いの平井七丁目のスーパー堤防と区画整理事業では、一・七ヘクタール、七十四軒の人たちを対象とした事業が行われてもう既に完成していますが、昨年私たちが調べた時点では、この区画整理地区内にもとどおりに戻れた人は半数の三十数軒でありました。江戸川沿いの北小岩のスーパー堤防の計画地では、事業が決まってもいないのに、地上げ屋さんたちが各戸を訪問し始めているという話もあります。宅地を買い占めて、換地のときに集約化すれば高度利用ができて、高層の民間分譲マンションなどが建設可能になります。バブルのときを連想させるような地価の上昇が起こりつつあるという状況が生まれていて、これは江戸川だけじゃなくて、既に行われた足立区の小台のスーパー堤防事業ではライオンズマンションが建ちました。野田市の江戸川右岸流域では、区画整理対象地域四十一・三ヘクタールの約九割になる三十七・八ヘクタールの土地が、長谷川コーポレーションが買い占めている、こんな例もあるんです。治水対策といいながら、宅地を集約化して大規模な民間開発に回されていくような、こうしたまちづくりと一体として、区画整理と一体として進められているというスーパー堤防のねらい、治水が目的というよりも、もう一つの目的は開発を促進する、そこにあるのではないかと判断しちゃうんですけれども、どうでしょうか。

升都市基盤部長
 江戸川区では、平成十一年に策定いたしました都市計画マスタープランでございますまちづくり基本プランにおきまして、本地区を都市計画道路補助二八六号線、二八八号線や篠崎公園の計画とあわせ、駅至近の住宅地として面的に整備を検討し、利便性の高い住宅地を形成すると位置づけております。
 また、スーパー堤防事業により、地域の安全性を向上させるとともに、地権者の地区外移転を極力少なくするため、区画整理手法を活用したまちづくりをあわせて実施することとしているということでございます。
 このように、これらの事業は安全で快適なまちを実現することを目的としたものであるというふうに考えているところでございます。

河野委員
 みんなが住み続けられて安全で快適になればいいんですけれども、なかなかそうもいかないというのが現実ではないでしょうか。
 それで最後に確認の質問をさせていただきますが、道路や公園、緑地の都市計画変更ということで今回議案が出されました。あわせて、これはスーパー堤防や区画整理事業などのまちづくり事業とリンクしているんですけれども、こうしたまちづくりは、何よりも関係する地域住民の合意に基づいて判断されていくことが必要だと思います。国土交通省は、一九九一年にスーパー堤防事業推進を決めたときも、九七年に河川法を改正したときも、住民の意思の反映を重視しなければならないという考え方を示しています。今回の道路、公園、緑地の都市計画変更とその背景にあるスーパー堤防計画については、徹底した住民への情報公開と住民の意見の反映が求められると私は考えます。国が示している、住民の合意をきちんと形成した上での事業への取り組み、その考え方は都も同じスタンスであると受けとめてよろしいですか、お答えをいただきたいと思います。

升都市基盤部長
 江戸川区におきましては、先ほどもお話しいたしましたが、都市計画マスタープランを策定しておりますが、その策定する過程の中で、今回の都市計画変更に関する内容も含めて広く区民に説明しておるところでございます。さらに、今回の都市計画変更に当たりましては、平成十七年五月以降本年十月までに二十二回の意見交換会や説明会を開催し、地域の住民の方々や権利者の方々に理解と協力が得られるよう努めてきているというふうに聞いております。
 意見交換会や説明会の中では、避難場所など区の防災計画に関することや、各事業の実施方法や施行順序などについて意見があったというふうに聞いております。
 江戸川区は今後とも事業の具体化に向けて引き続き地元との意見交換会や説明会を実施し、地域の方々に理解を求めていくというふうに聞いております。
 また、今、委員のお話のございました河川法の関係では、河川整備計画というものが位置づけられておりまして、平成九年の改正でございますが、その中に、河川管理者は、必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないというふうに定められております。これに基づきまして、今、国土交通省におきまして、利根川・江戸川河川整備計画の公聴会を開催しているというふうに聞いておりまして、江戸川におきましては、本年二月に公聴会を開いたというふうに聞いてございます。
 公聴会の中では、江戸川区在住の公述人の方もいらっしゃいまして、高規格堤防、スーパー堤防の整備促進を求めたというふうに聞いておるところでございます。

河野委員
 私は、そういう−−国と区はわかっているんです。都がどういうスタンスでこのまちづくり事業について軸足を置いているのかということを伺ったつもりなんですが、それはご答弁いただけなかったんです。非常に残念な思いです。結局のところは、国や区がやっているから、東京都も都市計画の変更に協力してあげますよということで今回の議案が出されているというふうに、私は、判断しなくてはならないと思います。その意味で、今回、スーパー堤防の建設を前提とした、示されている都市計画変更案、これは住民の納得、合意が形成されていない段階でありますから、都市計画審議会には提出しないように都に求めまして、質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。



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