河野ゆりえ都議会議員の都市整備委員会での質問

2007年11月6日

〇河野委員 私は、都営住宅の使用承継、建てかえ問題、それから区画整理事業、この問題についてお伺いをしてまいります。
 初めに、都営住宅の使用承継について伺います。
 国土交通省は、二〇〇五年十二月に、公営住宅法施行令改定と住宅局長通知を続けて出しています。現在、都営住宅居住者に大きな不安を与えている使用承継制度の変更は住宅局長通知によるものでありますが、公営住宅の事業主体である地方自治体にとって、施行令及び住宅局長通知はどのような法的な拘束力を持っているのか、まず伺います。

〇並木参事 平成十七年十二月の国の通知は、公募が原則である公営住宅において、長年にわたり同一親族が居住し続け、入居者、非入居者間の公平性を著しく損なっている実態が見られることから、承継の範囲を配偶者及び高齢者等、特に居住の安定を図る必要がある者に限定したものでございます。
 この通知は法的に各自治体を拘束するものではございませんが、実施については、適切な運用に特段の配慮が要請されているものでございます。
 ご指摘の施行令につきましては、政令ですので、当然法的拘束力がございます。

〇河野委員 先ほども質問がありましたけれども、東京都はことしの八月二十五日から、使用承継を認めるのは、国土交通省の住宅局長通知に基づいて原則配偶者のみとし、そして特例として、承継しようとする者が六十歳以上、障害者は愛の手帳一、二度、身体障害者手帳一、二級、精神障害者保健福祉手帳一級、難病などの病弱者を認めるとしました。
 ことしの八月二十五日以降、名義人が亡くなってしまって、使用承継のこの基準に当てはまらずに困っているという家族が出ています。私たちのところにも相談が寄せられております。
 東京都が把握している、サービス公社などに寄せられている相談件数、そしてまた実際に承継できた件数、これはどのくらいの数を把握されていられるのか、お示しください。

〇並木参事 施行後の状況ですが、現在手続中のものもございまして、状況は整理中でございます。
 なお、本年九月に使用承継を許可した件数は二百三十件余でございます。

〇河野委員 二カ月で二百三十件で、それから相談件数はまだ掌握中ということで、私たちが問い合わせを受けているだけでも相当の数いらっしゃいますので、私自身のところにも昨日も相談が寄せられておりますが、かなりの数の方が困っている、あるいは悩んでいる。そういうところに、今、置かれているのではないかと思います。
 そこで、一つ伺っておきたいんですが、ある多摩地域の市では、親御さんが亡くなられて、残されたご家族に、東京都として、六カ月以内に住宅を出ますという誓約書を居住者に求めたと聞いています。親御さんが亡くなられたばかりの居住者に直ちに立ち退きの誓約書を求めるというのは、余りにも冷たい、そういうやり方なのではないでしょうか。
 まず、このような、人としての尊厳を踏みにじるようなやり方、都として直ちに改めていくべきだと私は考えますが、いかがでしょうか。

〇並木参事 お答えの前に、ただいま二カ月間というお話でしたけれども、九月の一カ月間の使用許可件数でございます。
 それから、ただいまのご質問の誓約書の件でございますけれども、名義人の死亡等の届けがあった場合に、名義人と同居していた親族が承継の許可基準に該当しない場合、あるいは承継を希望しない場合、そういった場合でありましても六カ月間は退去を猶予するように配慮してございます。その確認の意味で、対象者全員から期限を明記した誓約書を提出してもらっているものでございます。

〇河野委員 私は、そういう親御さんを亡くされた方の置かれているつらい立場に立てば、こういう六カ月、来年三月までに出なさいよということで誓約書をとる、とられた方は念書というふうにも受けとめていると聞いていますけれども、そういうやり方については、きちんと温かい対応をしていただく、このことが必要ではないかと考えておりますので、改めて善処を求めておきたいと思います。
 具体的に申し上げますが、私が住んでいる江戸川区の都営住宅の居住者からも、何人か、この問題で相談が寄せられています。
 船堀地域の五十代の男性は名義人のお母さんを介護しています。九十歳近いお母さんはほぼ寝たきり。介護保険のケアサービスも使っていますが、息子さんが同居し介護してもらわなければ生活ができません。したがって、息子さんは働く時間がなるべく短い職場を選ぶ、そのために収入が少ない仕事にしかつけないという状態で、何とか生活を支えているわけです。お母さんの年金と合わせてようやく生活が成り立っている。もしこのご家庭で名義人のお母さんが亡くなると、この方は都営住宅を出なくてはならなくなります。蓄えもほとんどないのにどうしたらよいのかと、とても心配されています。
 このような切実な不安の声が本当に数多くあるわけなんですけれども、都はこうした居住者の生活実態を十分に調査、把握して、使用承継の基準を定めたのでしょうか。この点についてご説明ください。

〇並木参事 ただいまの誓約書の件は、温かい配慮は当然ですが、なるべく早目にお知らせした方が、突然いわれるよりも本人のためということもありまして、そういう対応をしてございます。
 それから、生活実態の件でございますけれども、使用承継はあくまでも公募の原則の例外でございまして、配偶者のほか特に居住の安定を図る必要がある者に対して認めているものでございます。例外として許可する高齢者、障害者、病弱者の範囲につきましては、客観的かつ公平な基準で定めておりまして、この取り扱いは原則として一親等まで承継を認めていた改正前の例外規定と同様でございます。

〇河野委員 なるべく早く教えてあげるのが温かいやり方ということですが、既に何回も「すまいのひろば」ではこのことは通知していますよね。居住している方は大体知っているわけです。ことしの「すまいのひろば」でも見ましたけれども、六月、八月、十月、続けて、東京都は「すまいのひろば」でこの使用承継制度が変わりましたということをどんどん知らせているわけですから、ここで改めて温かい配慮で誓約書をとるなんていうのは、ちょっと私は納得がいきませんので、もう少し心を大事にした対応を改めて求めておきたいですし、私はやはりこういう点では、調査の問題、もっともっときちんと調査して、使用承継の問題では都の努力が求められているのではないかということを申し上げておきたいと思います。
 委員会の資料で、先ほどもありましたけれども、使用承継制度の厳格化実施状況を出していただきました。十月十八日の毎日新聞の夕刊の記事には、全国で二十の道府県が、国土交通省の住宅局通知が出た後も、公営住宅の親子間継承、つまり一親等まで認めると回答していることが紹介されています。
 今、四十七都道府県のうち二十三の道府県で、国土交通省の住宅局通知のとおりではなくて従前のままの制度を続けており、政令市では十七市のうちで、この表を見ましても、措置済みとなっているのはわずかに二市です。各自治体がこの問題では慎重な態度をとっていることがわかります。
 毎日新聞の記事では、特例の範囲は、例えば大阪府など十一府県は障害者手帳の交付者をすべて対象にしている。一方、十六都県は基準を定め、比較的軽度の障害者の特例を認めていない。東京都と岐阜は身体障害者が二級までと、より厳しい基準だと書いてあります。障害の基準以外にも、大阪府は年齢を東京都のように六十歳以上ではなくて五十歳以上と定めてありますし、母子、父子家庭や生活保護受給世帯にも承継を認めております。神奈川県は母子、父子世帯のほかに特別低所得の人にも承継を認めるとしています。
 こうした他府県の行っている、措置済みといわれているところでも、東京都の基準に比べると、かなり居住者の立場に立った配慮がされていると感じるんですけれども、東京都の基準は余りにも厳し過ぎる、このように感じておりますが、いかがでしょうか。

〇並木参事 お答えの前に、ただいまの周知の件ですけれども、「すまいのひろば」で何回もやっているということですが、これは逆にPRが足らない、十分にやれというご指摘がございましてやっているものでございますので、その辺ご理解いただきたいと思います。
 それから、他県と比べた比較ですけれども、例外で承継を認める範囲につきましては、都は病弱者も対象としております。この病弱者を承継対象としている道府県は、承知している範囲では非常に少なく、都は厳しいとは一概にはいえないと考えてございます。
 また、国の通知では、配偶者以外の承継対象として、高齢者、障害者等、特に居住の安定を図る必要がある者としておりますが、各自治体においては応募倍率等の状況はさまざまで、それ等を踏まえて定めておりまして、単純な比較はできないものというふうに考えてございます。

〇河野委員 都としては、八月二十五日実施に移したわけですから、そのようにお答えになるしかないのかもしれません。しかし、私たちも調べてみましたけれども北海道は三親等以内の親族に認めている。千葉県も同じです。それから千葉市、三親等以内というようなことが、全国を調べてみますと東京都の基準、参事がご答弁されているように配慮されているということではありますが、さらに配慮されているというのが、実際に今の段階では、調査の結果明らかになっています。
 そこで、もう一つ伺います。十月十日の毎日新聞の夕刊に、都営住宅の使用承継について、やはり記事が出ています。渋谷区笹塚の都営アパートに住む八十三歳の女性のことです。
 五十四歳の娘と二十五歳の孫が同居している。娘は糖尿病で、毎日インシュリンの注射をしながらスーパーのパートに出ている。孫は知的障害四度。娘のパート収入と母の年金で三人の生活はやっとの状態。娘さんの糖尿病治療費は月に二万円近くかかる。八十三歳のこの女性は、自分が死んだら年金収入もなくなり、使用承継の制度変更で都営住宅に残された人たちが住めなくなってしまう。このことをとても心配して、娘や孫はホームレスになれというのでしょうかと、切実に訴えておられます。
 国土交通省の住宅局長の通知は、最初に確認したように、もし通達どおりに実施しなくても問題はない、罰則の規定などはないわけです。国土交通省は、公営住宅の事業者がみずから基準等を定めるもの、との立場を明らかにしています。他の自治体に比べても厳し過ぎる、居住者の生活実態を反映していないと私たちが判断しているこの使用承継制度の基準について、本当に早急な見直しを私は求めたいと思いますが、東京都のお考えはいかがでしょうか。

〇並木参事 使用承継の見直しにつきましては、これまでるる申し上げておりますとおり、都営住宅の利用機会の公平性を確保するために、公募の原則の例外であります使用承継の厳格化を図る必要があるということで行ったものでございます。
 見直しに当たっても種々の配慮をしてございますし、また、実施に当たってもさまざまな周知をして行ったものでございまして、今後とも適切に制度を運用していきたいというふうに考えてございます。

〇河野委員 つい先ごろ厚生労働省が、社会問題となっておりますインターネットカフェなどに寝泊まりしているネットカフェ難民の実態調査を実施しています。全国で推計五千四百人のネットカフェ難民が存在し、そのうち東京は二千人が難民と呼ばれるような状態になっていることが発表されています。今回のような使用承継制度の厳格化という名のもとの制度がそのままにされれば、さらなる住宅難民をつくり出してしまうことになりかねないのではないでしょうか。
 ある政令市では、高齢の親の面倒を見てきた家族が親がいなくなったときに泣いてしまうような状態になる、そういう施策はどうしてもやる気になれないと、使用承継は従前のままで行っているそうであります。大都市であります愛知、兵庫、京都やほとんどの政令市でも実施に移してはおりません。他府県の例もよく調査して、病気や障害、生活難の中で頑張っている都民の立場に立って、使用承継制度のこうした都民を不安に陥れるようなやり方は撤回して、居住者、都民に安心をもたらすように、私はこの機会に局に強く努力を求めておきます。
 続きまして、都営住宅の建てかえ問題について伺います。
 都は昭和三十年代以前に建築の都営住宅二万五千戸、これを、年間三千戸を目標にして、建てかえ事業を行うとしています。都営住宅の建てかえは、いろいろ要望したいことがありますけれども、今回は型別供給の問題を中心に伺います。
 世帯人数に合った間取りで住宅を供給するという考え方そのものはそれとしてあると思います。しかし、都営住宅などの建てかえで行われている型別供給で問題になっているのは、専用面積がとても狭いということです。基準では単身世帯だと一DKで三十二平米となっています。DKとはダイニングキッチン、食堂と台所が一体の部屋だということだと思いますけれども、都が今一DKということで、DKという言葉を使ってイメージしているダイニングキッチン、その機能や間取りなどについてはどのような内容のものであるのか、イメージやその機能についてご説明を求めておきます。

〇山室建設推進担当部長 建てかえで建設する住宅は、世帯人員に応じました最低居住水準を確保するとともに、バリアフリーにも配慮した規模にしておりまして、現行の一DKの食事室の面積についても適切と考えております。
 したがいまして、現在の間取りの中で住まい方を工夫しながら、お住まいいただければというふうに考えております。

〇河野委員 そういうご答弁でありますが、実は私、あるひとり暮らしの、建てかえで型別供給という一DKのお部屋に入った方の高齢女性の部屋を見せていただきました。建てかえのときの説明では、ひとり暮らしだから一DKといわれた。大丈夫かなと思って実際に入居してみると、DKといわれる部屋はとてもダイニングキッチンと呼べるような使い方は無理だったと話しておられます。ダイニングキッチン、DKとされている板の間は実質三畳を欠けるくらいの面積です。食器戸棚、炊飯器やポットを置くあるいは電子レンジを置く台などが、この方はコンパクトな家具を選んでおられますが、いっぱいに壁のそばに配置されていました。
 それで、問題は冷蔵庫を置く場所がなかなか見つからないということで、結局考えたあげくガスレンジの前に置いたんですね。でも、そのすき間は、人が横になってやっと入れるスペースしか確保できなかったんです。
 写真も撮ってまいりましたけれども、私は思わず、この場所でてんぷら料理をつくる場合はどうしているのですかと聞いてしまいました。油が飛んできて怖いから、てんぷらは、ここへ移ってきて二年くらいたつけれども今まで一回しかしたことがありませんという答えでした。食卓セットを置けるような状態でもとてもありません。食堂と台所が一緒のスペースがDKという位置づけであるならば、この間取りではとてもDK、そういう呼び方をするようなスペースは確保されていないと考えますが、東京都はどのようにお感じですか。

〇山室建設推進担当部長 一DKの食事室でございますが、一DKは主として一人世帯用に供給するものでございまして、この食事室には一般に市販されておりますテーブルや茶だんすを置くことを前提に設計しております。このため、繰り返しになりますが、現行の一DKの住戸規模は適切と考えておりまして、現在の間取りの中で住まい方を工夫しながら、お住まいいただければと考えております。
 なお、建てかえにより移転していただく場合につきましては、その住宅の間取り図を示すとともに、必要に応じまして、移転先の住宅の見学会等を行い、実際に現地で間取りの寸法などを見ていただいた上で、移転先を決めさせていただいております。

〇河野委員 上手に使ってくださいよというようなご答弁なのかなと思います。移転に当たっては、確かに今お答えにあったように、選択の範囲というか、どうぞ見てください、だめなら別を選んでくださいということもあるようですけれども、この方も悩みながら苦渋の選択でこの一DKのお部屋に移られた経過があります。当時一緒に住んでいた団地の中には、ここはとても私の生活では無理だからということで断った方も相当数あると聞いておりますので、私は、今ご答弁いただきましたけれども、東京都の局長を初め幹部職員の皆さんが、一DK三十二平米のお部屋がどんなような住まわれ方をしているのか、現場に足を運んでいただきたいと思うんです。ぜひ見てみてください。
 続いて質問しますけれども、この方は、二年前まで住んでいた部屋は二DKの部屋でした。建てかえで転居することが余儀なくなって、それまで使っていた家財道具の大部分を処分せざるを得なくなりました。どうやって工夫しても仏壇を置く場所がない。そのために、この仏壇は息子さんの家に預かってもらっている、そういうお話もされていました。
 夜具は小さな自分用のソファーベッドを和室の六畳間に置いて、押し入れの収納スペースも一般の日本風の家屋よりも狭いつくりになっていますから、布団を一組だけ残して、あとは全部別の場所に預かってもらっているそうです。もし寝起きが大変になって、もう少し大きなベッドを置かなければならなくなったら、娘さんやお孫さんが泊まりに来ても、布団一組をベッドの下に並べて敷くことができない、そんな状態も話してくれました。お友達も一度に招ける人数はもう限られてしまったと、生活の不便を語っていたのです。
 都は型別供給といって、単身世帯は三十二平米、二人世帯は一DKか二Kで三十七平方メートル程度、三人世帯で二DKへの転居を求めています。
 建てかえの説明があった江戸川の東篠崎団地の居住者の話によれば、二DKといっても和室六畳、そして洋間となる板の間の部屋は五畳分ぐらいの広さで、小さな子どもと一緒の三人世帯なら何とかなるかもしれないけれども、大人三人が生活している場合は家族でどうやってこの二DKで住み分けをしたらよいのかこの先大変だと、とても悩んでいるという話でした。
 よく住まいは人権といわれています。東京都がこの間進めてきた型別供給のあり方は、人間としての生活を豊かに保障する立場に立っているかどうか、このことをとても疑問に今私は感じています。
 都は、こうした悩んでいる居住者の生活の実態、把握されておられるのかどうか、この点もお答えをいただきたいと思います。

〇山室建設推進担当部長 建てかえに当たりましては、実際に事業を行います住宅建設事務所と連携をしまして、居住者の要望などにつきまして適切に把握しております。
 建てかえ後に供給する住戸につきましては、例えば一人用は一DKとするなど、世帯人員に応じた住宅規模を定めた、いわゆる型別供給実施基準に基づき実施しております。この基準の設定に当たりましては、都営住宅は都民共有のセーフティーネットであることから、最低居住水準を確保するとともにバリアフリーを考慮した面積としており、必要な機能は十分満たしているものと考えております。また、居住者にとって住みやすい間取りとなるよう工夫をしながら、適切な規模の住宅を供給しているところでございます。

〇河野委員 最低居住水準一人当たり二十五平米ですか。これは三十二平米ですから確かに確保されているということにはなりますが、一DKというDKが、今いったような状態でとても台所の機能を備えるような事態になっていない。一DKがそうであれば、やはりひとり暮らしの人にも一LDK、こういうことを供給していく検討も必要じゃないかと思うんですよ。
 だから、二十五平米以上満たしているからといってそこで都民が十分に満足しているというご判断に立つのではなくて、強調しておりますが、やはり東京都の方々が、実際に型別供給で一DKや二Kなどの部屋に転居された場合にどんなふうなご不便が起こっているのか、そういうものも十分に調べていただいて、今、住みやすい住環境のためにさらに努力されていくというようなご趣旨の答弁もありましたので、そういう方向で改善方検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 今、都営住宅の応募状況、大変です。入居者、非常に高い倍率になっています。区部では、住宅供給公社のホームページを見ますと、ある区のある地区では六百倍とか五百倍、こういう地区があります。二百五十倍を超えている地区はざらにあるんですね。一般募集の平均倍率は、ことし五月は三十八倍、昨年の十一月では五十三倍に上っています。圧倒的に都営住宅の戸数が少ないということが現実であり、そのことが公平性の確保という理由づけで使用承継の厳格化や型別供給などの矛盾をつくり出している、そのように私は判断します。
 ことし八月二日、特別区の区議会議長会が、東京都に対して都営住宅建設整備計画の新たな策定を求める要望書を提出し、都営住宅、公営住宅の建設促進を求める異例の働きかけを行っています。
 公営住宅法第三条には、「地方公共団体は、常にその区域内の住宅事情に留意し、低額所得者の住宅不足を緩和するため必要があると認めるときは、公営住宅の供給を行わなければならない」と書かれています。この精神に立ち返って、新規建設に向けて再開していただくよう、直ちにそういう検討もしていただくようにこの機会に求めておきますし、きょうは質問いたしませんでしたけれども、低層都営住宅のエレベーター設置の促進、団地内への高齢者生活相談所の設置要望にこたえることや近傍同種の家賃制度の問題など、都民の都営住宅に対する要望は数々ありますから、居住者の安心と都民の住宅ニーズにこたえられるように、施策の充実に東京都都市整備局が力を注いでいただくことをお願いして、都営住宅に関する質問は終わらせていただきます。
 次に、区画整理事業についてお伺いをいたします。
 まず、江戸川区内で東京都が施行している瑞江駅西部地区、篠崎駅東部地区の区画整理の進捗状況と見通しについて、お伺いをいたします。
 この二つの地区は、事業が大変長期にわたっております。それぞれの地区の移転の執行状況、これについてお答えください。

〇宮村市街地整備部長 瑞江駅西部地区及び篠崎駅東部地区は、ともに都営地下鉄新宿線の駅周辺の都市基盤施設の整備及び健全な市街地の造成を目的とした事業でございます。
 瑞江駅西部地区は施行面積が約三十ヘクタールで、平成十四年度から建物などの移転に着手しており、平成十九年度末の建物移転の進捗率は約三〇%となる予定でございます。
 また、篠崎駅東部地区は施行面積が瑞江駅西部地区の三分の二ほどで、一年早く建物移転に着手しており、同じく十九年度末の建物移転の進捗率は約六一%となる予定でございます。

〇河野委員 今の二つの地区の中で、篠崎駅東部地区は移転棟数が瑞江駅西部地区に比べて半分以下、四百九十八ですか、そういう五百棟に満たない数です。一方で、瑞江西部は移転棟数千二十四棟、大変大きな、移転しなければならない建築物の数を抱えています。
 この瑞江駅西部地区の場合、今年度の事業が終わっても、先ほど今年度末で移転執行率三〇%ということですから、まだ七百棟以上が移転できないまま残されることになります。今年度は三十七億円の予算で瑞江駅西部地区九十四棟の移転が進むとなっていますけれども、仮に来年度から引き続いて年間平均百棟移転が行われるとしても、移転完了まで七年かかることになります。来年度、平成二十年度から七年かかるとすると、施行期間、平成二十五年末とされていますから、どう計算しても施行期間内に事業が終わらないことになります。
 区画整理事業の場合、施行期間内に事業が完了するというのは、建物の移転が終わるだけでなくて清算金の徴収、交付、こうした手続も完了しているという意味を持ちます。瑞江駅西部地区について、実際にどんな形でこの施行期間内に事業を完了させるという取り組みが進んでいくのか。施行期間内に終わらせると表明しておられる都の計画について、具体的にお伺いをしておきます。

〇宮村市街地整備部長 瑞江駅西部地区につきましては、事業計画決定段階から換地設計の決定まで地元の合意形成に時間を要しましたが、移転工事に着手して以降は、事業は順調に進捗してきているというふうに認識しております。
 先ほどご質問にもございましたが、当地区の今年度予算は前年度の約一・二八倍の三十七億円ということでございます。今後とも適切な予算の確保に努め、事業施行期間内の完了に向けて、着実に事業を進めてまいります。

〇河野委員 瑞江駅周辺の区画整理は四地区に分かれて行われてきまして、この瑞江駅西部地区が最後に取り残された地区なんですね。この人たちは、周りの約百に満たないヘクタールですけれども、既にほとんど終了しているのに、自分のところだけが都施行でやってもらっているんだけれどもなかなか先が見えないということで、長年にわたって苦労されておりますので、そういうこともお考えに入れていただいて、瑞江駅西部地区そして篠崎駅東部地区の区画整理事業の進行については、特段の努力をお願いしておきたいと思います。
 今おっしゃられた施行期間内に事業を完了させる、この点では、事業予算の確保とともに職員の配置も充実していく必要があると思います。さきに開かれました区部周辺の区画整理議員連盟の総会の際に、足立区の都施行区画整理について、職員配置の充実が必要であるという要望が出されていました。江戸川区でも関係住民の方から同じような要望が上がっています。特に審議員を務めている方からは、審議会に出席する区画整理事務所の所長さんを初め各課長、こういう幹部職員の方の異動が頻繁で、意思の疎通を図るのになかなか苦労している。地域の実情がわかってもらえたかなと思うころに、また別の人にかわってしまう。専門的知識や経験が必要な区画整理事業だからこそ、職員配置について都はもっと工夫してほしいと要望が上がっております。
 瑞江駅西部そして篠崎駅東部などは第一区画整理事務所の所管なんですけれども、所長あるいは副所長、各課の課長の平均在職日数、これはどのくらいの期間、職についておられるんでしょうか。

〇宮村市街地整備部長 第一区画整理事務所の幹部職員の平均在職年数でございますが、近年の状況としましては、ほかの事務所も同様ですが、おおむね二年程度となっております。

〇河野委員 二年で職員というか責任者の方も含めてかわっちゃうんですが、これはあっという間の期間だと思うんです。一方で関係住民の方はそこに住んでいますから単純に数えても、測量説明会、瑞江西部の場合は私もよく存じていますけれども、昭和六十三年、このころから区画整理、区画整理ということでみんな心配しているわけです。数えると二十年間も区画整理事業とつき合っているわけなんですね。
 こういう現状も踏まえて、もし職員に異動があったとしても、事業の内容や地域の実情などについて住民の疑問や要望にこたえる体制、これにきちんと対応していく仕組みづくりというんですか、人的配置も含めて求められていると思うんですけれども、施行者としてはこういう点でどんな努力をされてきましたか。

〇宮村市街地整備部長 先ほどのご質問とあわせて、ちょっとダブりますけれども、幹部職員の平均在職年数は先ほども申し上げたとおりおおむね二年程度ということでございます。ただ、当然組織としてやっておりますので、係長それから担当の係員、あるいは地区長、それぞれ、通常のルールですとほぼ同一事務所に六年程度が一つの目安で、組織的には、できるだけきちんと引き継ぎをしながらやっているということでございます。
 私も所長を、第一区画ではございませんが、経験しておりますけれども、その辺はきちんと、幹部が一斉にかわるということが余りないように、できるだけつながっていくように、そういう人事異動はやっているところでございます。
 それから、土地区画整理の実施に当たりましては、地元の地権者の理解を得ながら進めていくということが重要でございますので、今後ともきめ細かな地権者対応ができるように、適切な人員確保などに努めてまいります。

〇河野委員 部長、ぜひそういう地域の声をよく聞いていただいて、十分な対応をしていただくように、よろしくお願いいたします。
 瑞江と篠崎東部についてはこれで質問を終わりますけれども、第一区画整理事務所が所管している他の地区の区画整理事業についても伺います。
 第一区画整理事務所は、江戸川区内の二地区のほかに、臨海都市基盤整備事業会計の開発費で、豊洲、有明北、晴海地区など臨海部の事業も担当しています。豊洲地区の区画整理事業について、きょうは幾つか質問させていただきます。
 平成五年に豊洲地区の区画整理事業が都市計画決定されて、事業計画の決定が公告されたのが平成九年です。豊洲地区の区画整理施行面積は約九十一ヘクタールということになっています。ここに二〇〇〇年、平成十二年三月二十二日の経済・港湾委員会の議事録を持ってきてありますけれども、当時、我が党の丸茂勇夫議員が豊洲地区の護岸整備について質問しています。
 豊洲地区を取り巻く形で、防潮護岸の建設のために幅約三十メートルから五十メートルの沖出しの埋め立てを行うことについての質問です。傾斜が緩やかな緩傾斜の護岸で面積は約十一・五ヘクタールになると、当時、港湾局が答弁しています。そして、この埋め立てた分は区画整理事業の中に組み入れる予定であるとの答弁もあります。
 このとき、護岸工事の事業費は約六百億円とされて、東京ガスなどの地権者いわゆる開発者が二分の一を負担し、残り二分の一を都が負担、そのうち一般会計で二分の一、臨海副都心開発の会計で二分の一、ですから、四分の一の百五十億円ずつ合計三百億円を東京都が負担する、こういうことになっていました。
 その後、平成十三年十二月に築地市場の豊洲移転計画が出されまして、この晴海、豊洲などの、特に豊洲の土地利用方針に大幅な変更があったということで、埋め立てた土地は区画整理事業には組み込まず、護岸の埋め立て費用も開発者と都の負担割合が大幅に変わったと聞いております。第一区画整理事務所が臨海都市基盤整備事業会計で事業に取り組み始めたのは平成十三年度からでありますから、この間のいきさつを都市整備局は承知されていると思います。
 ここでお伺いをしておきますが、埋め立てた護岸が区画整理施行地区に入らなかったことを含めて、この経過、ご説明をいただきたいと思います。

〇小澤参事 お尋ねの豊洲地区の防潮護岸でございますが、当初、土地区画整理事業区域に編入する予定でございました。その後、平成十三年に築地市場の豊洲移転が決定をいたしましたことに伴いまして、一つは土地利用に大幅な変更が生じたこと、また、中央卸売市場が新市場予定地の前面部の防潮護岸の所有権を取得することなどになりまして、防潮護岸は土地区画整理事業に編入されないことになった次第でございます。

〇河野委員 非常にコンパクトな答弁なんですが、この裏というか、ここまでに至る背景にはいろんな経過があるんですが、きょうはそのことについては深くお聞きしません。
 私は、この区画整理事業に関係して、保留地の問題について伺っておきたいと思います。平成十三年度の第一区画整理事務所の事業概要を見ますと、保留地の面積は十二・二一ヘクタールになっています。平成十九年度、今年度の事業概要では七・二四ヘクタールが保留地とされておりまして、約五ヘクタール保留地の面積が狭くなっています。保留地は、事業費を賄うために各地権者が土地を出し合い生み出していくものでありますが、この保留地を出す負担割合がそれぞれ軽くなったわけであります。地権者ごとの保留地負担の軽減についてどんな状況になってきたのか、十二・二一ヘクタールのときと七・二四ヘクタールに変わった今とでは、どんな変化が起こっているのか、ご説明を求めます。

〇小澤参事 区画整理事業では、保留地が減ったことによりまして、各宅地の平均減歩率は緩和されることになります。
 ただし、保留地の面積が変更になった場合につきましては、各宅地の換地面積が変更になるだけではなくて位置とか形状も変更になります。各権利者の減歩率は、従前の宅地と換地の位置、形状等との関係から定まってまいりますので、保留地の面積の変更が一律に各権利者に影響を及ぼすものではございません。したがいまして、お尋ねの個々の減歩率への影響を算定することはできないことになってございます。

〇河野委員 そういうご答弁ではありますけれども、豊洲地区の施行面積はさっきいいましたように九十一ヘクタールですね。そのうち東京ガスが持っている土地は約四十八ヘクタールあります。半分以上の土地を持つ最大の地権者が東京ガスです。単純に考えても、一律に各権利者にどんなような影響があったのか算出できないというお答えではありますけれども、本当に単純に考えても、保留地に出す土地の負担割合が減ったことは、東京ガスや東京電力などの民間の開発者、この大手企業の負担も軽くなった、これは確実な事実じゃないかと思いますけれども、その点で違っていたらまた後でご答弁をいただきたいんですが、私はそのように判断いたします。
 次の質問なんですが、事業概要には、平成十七年度、十八年度に保留地処分を行ったと書いてあります。この保留地の箇所、処分の価格、売却先、七・二四ヘクタールのこの保留地の処分がどのような状態で行われたのか、ご答弁をお願いいたします。

〇小澤参事 お尋ねの豊洲地区の保留地の位置でございますけれども、晴海通り延伸部と新交通「ゆりかもめ」に囲まれた五街区の一部でございまして、豊洲市場内の予定地にございます。
 また、売却価格は約四百五十億円でございまして、市場予定地といたしまして財務局に売却したものでございます。

〇河野委員 その保留地と売却価格の関連で伺います。
 やはり第一区画整理事務所の事業概要、平成十三年版からの数字なんですが、総事業費は七百二十四億円となっています。また、この問題では、平成九年十月三日の当時の建設・住宅委員会、松村友昭議員が豊洲の区画整理の保留地処分と事業費について質問をしています。
 当時建設局区画整理部長の方が、総事業費は七百四十二億円で、保留地売却のお金、これを全部充てて賄うと答弁しています。現在、豊洲地区の事業費は五百九十八億円でありますから、保留地売却分のお答えにありました四百五十億円、財務局の方に移っているようですが、四百五十億円で買ったということでは、豊洲地区の事業費は五百九十八億円から引き算いたしますと百四十八億円の不足が生じることになります。保留地売却費で総事業費を賄うとしていたかつての東京都の考え方は、変更があったのでしょうか。さらに、百四十八億円の不足額、これについてはどのような財源見込みがあるんでしょうか、この点もご説明ください。

〇小澤参事 当初の事業費は、委員お話しのとおり七百四十二億円でございまして、保留地処分金を財源としてございました。現在は、その後事業費の縮減に努めまして、約五百九十八億円となったものでございまして、この財源は、保留地処分金のほかに下水道負担金や中央卸売市場負担金などで賄ってございます。
 当初と現在の考え方の違いということでございますけれども、当初負担金の協議が調っていなかった下水道負担金でございますけれども、負担協議額が調いましたので額が確定いたしました。よって、事業計画の変更を行ったものでございます。
 また、先ほどお話ししました中央卸売市場負担金につきましては、市場の移転に伴いまして、道路構造を高架化したことなどにより工事費がふえまして、その増嵩分を事業計画の変更によって計上したものでございます。

〇河野委員 当初は、保留地の売却のお金で総事業費を賄うとしておりましたが、現段階では百四十八億円が下水道局や中央卸売市場が負担する、このような方向に進んでいることが今のご答弁でわかりました。いずれも公営企業会計からの支出になるわけですけれども、公共の財政負担ということになると思います。
 晴海と豊洲の土地利用計画はこれまでも何回も改定がありました。都民には極めてわかりにくいものになっているというのが率直な私の実感です。さかのぼって、私も過去何回か改定されてきた豊洲・晴海再開発整備方針などを見てみました。以前は、地区内の都市基盤施設整備に開発者負担をしてもらうとして、地区内にできる上下水道、共同溝などは開発者負担の導入を原則とする、こういうことがうたわれているんですね。こうした内容が何回かの繰り返しの改定案でるる述べられていまして、事業費に充てる保留地負担分が軽減されたり、あるいは都と民間開発者の事業費負担割合が変わったり、都の負担がふえたり、そういうことはこの時点では想定されていなかったということが改定の経過の中でうかがい知ることができます。こういう経過を見ますと、まさに区画整理事業の根本にかかわることが目まぐるしく変更されているという印象を、この豊洲地区の区画整理事業で受けてしまいます。
 きょうは時間の関係もありますのでこれ以上詳しくは申し上げませんけれども、大企業の東京ガスなどの民間地権者、開発者の負担割合がだんだんに減っていって、その分東京都の負担割合がふえている。こういう事業の進め方がされれば恐らく都民の多数は納得しない、こんな声が上がってくるだろうといわざるを得ない状況があるんじゃないかと思います。
 最後に、意見として、要望として申し上げておきたいんですが、今年度、瑞江駅西部と篠崎駅東部の二地区の予算額は合計六十一億円です。臨海部の三地区は百五十九億九千五百万、約百六十億でありますけれども、そのうち豊洲は百十億円を超えています。都市再生路線ということで東京都がまちづくりの方針を進めていますが、臨海部開発と一体となったこの豊洲地区の区画整理事業に予算の大きな重点が置かれていることを、私は改めて感じております。
 二十年もの長い間、区画整理事業のもとで生活や営業を営んできた、区部周辺の区画整理施行地域住民の生活や営業を、本当に大事にするということを第一に据えた区画整理事業を、東京都の努力で進めていただけるように一層の努力を求めて、きょうの質問を終わらせていただきます。

 

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