都議会環境・建設委員会での河野ゆりえ都議会議員の質問

2007年10月2日

 

〇河野委員 私は、付託議案三件について順次質問させていただきます。初めに、百五十六号議案、環境CBOについてお聞きします。
 まず初めに、三点お伺いします。第一です。環境CBOでは、利用企業のCO2削減目標を、一%以上の企業、四%以上の企業と二つ設定しております。この二つの削減数値をメニューに定めた背景についてご説明いただきたい。
 それから二つ目に、二酸化炭素、CO2削減を、京都議定書の削減目標とか、あるいは東京都のカーボンマイナス十年プロジェクトでは、二〇〇〇年比で二〇二〇年までに二五%削減、これを目標にしておりますが、この目標を実際に実現していくということであれば、CBOに参加してくる企業が、四%削減の目標を持ってもらうことが望ましいと思います。しかし、現実的に考えていくと、中小企業にとって四%削減というのはかなり厳しいものがあるのではないか、このように考えます。四%の削減目標を持つ企業がどのくらい見込まれるのか、この点についてお示しいただきたい。
 それから第三点、今回の環境CBOの事業によって、CO2の削減は、実際、どんな改善が図られるのか、環境CBOの実効性をどのように見通しておられるか、以上、三点についてお答えください。

〇長谷川環境政策担当部長 削減率を二つ設定した背景ということでございますけれども、企業の実情によりまして、CO2削減への取り組みに相違があるというのが現状でございますので、より多くの企業に参加を促すには、個々の企業のニーズにこたえるメニュー立てを用意する必要があると判断いたしました。
 一%、または四%以上という削減率そのものについてでございますけれども、まず、一%以上の削減については、設備の運用対策を徹底するということで、達成が見込まれる数値でございます。また、四%以上の削減ということにつきましては、これを達成するために、運用対策に加えて、設備更新を伴う対策を講じる必要があるものと考えてございます。
 こうしたことから、四%以上の削減メニューを選択する企業、これが多いことに越したことはないわけでございますけれども、一%以上の削減メニューを選択した企業に比較いたしまして、社債発行利率の引き下げ幅を大きくするなどの誘導策を講じることとしてございます。
 それから、このCBOの導入により、どのような改善効果が図られるのかということと、実効性の担保でございますけれども、この改善効果につきましては、先ほど来、答弁いたしましたとおり、中小企業につきましては、大規模な事業所と比較いたしまして、なかなか自主的には、資金の問題、技術の問題等々で削減が進まないということがございますので、そうした中小企業につきまして、資金調達の機会をとらえて削減をしていただくという点で、具体的にCO2の削減を達成するという効果があるものと考えてございます。
 この実効性の担保についてでございますけれども、基本的には、参加企業みずから、このスキームへの参加意思を表明するというものでございますので、CO2の削減目標が未達成に終わるということはないものと考えてございますけれども、実績の確認を行うとともに、都としても、省エネ対策事例の紹介など、目標達成に向けた側面的なフォローを行ってまいります。

〇河野委員 次に、デフォルトのことを伺います。制度融資などと比較した場合に、環境CBOも一定の割合で回収不能になる、そういうことが出てくるのは避けられないと思います。環境CBOでは償還不能、いわゆるデフォルト、これはどのように見込んでおられるのか、また、そのデフォルトが発生することについて、環境局としてはどのようなご見解をお持ちなのか、お答えください。

〇長谷川環境政策担当部長 産業労働局に確認いたしましたところ、景気動向に左右されやすい中小企業のデフォルトの率を見込むということは非常に困難でございますけれども、直近の、この三月のCBOに関する格付会社のレポートによりますと、年率〇・三二%というふうにされているということでございます。
 これに対する見解ということでございますが、なかなか難しいご質問でございますけれども、このデフォルト率というのは、相当に低いものというふうに考えてございまして、今回の環境CBOにつきましても、同程度に低いものではないかというふうに見込んでございます。

〇河野委員 年率〇・三二%ですね。だから、三年償還ということだから、三倍ということで、約一%ということになるのかなとは思います。
 CBOの利用企業についての問題なんですが、今、ほとんどが一定の経営力、資力を有している企業がCBOを利用されています。都の環境対策、この施策としては、CBOを利用できない、資本力が弱い中小企業への支援も求められるのではないかと私は考えます。環境局は、そういう問題については対策は進めておられるでしょうか。その検討方、お伺いします。

〇長谷川環境政策担当部長 今回、環境CBOをできるだけ速やかに、二十年三月を目途に発効していくということで、補正予算を出させていただいたわけですけれども、中小企業は都内に六十万余りございまして、その経営力などもさまざまでございます。CO2削減についても、それぞれの実情に応じた対応策を構築していくことが重要であると考えてございまして、今後、カーボンマイナス東京十年プロジェクトを具体化していく中で、施策を構築していくこととしております。

〇河野委員 ぜひ、そういう資力が弱い事業所、経営者などへも支援を検討していっていただきたいというふうに要望しておきます。
 都の環境対策基金、五百億円の今後の活用、先ほども若干、ほかの委員からも質問がありましたが、私もお伺いいたします。「十年後の東京」では、二〇二〇年までに温室効果ガスを二〇〇〇年比で二五%削減する、この目標があるわけですね。都の気候変動対策方針では、その実現に向けて五つの方針が示されています。大規模CO2排出事業所などへの削減の義務づけとか、再生可能エネルギーの積極的な活用などが掲げられています。
 こうした方針に基づいて、CO2削減、環境改善に、この五百億円の基金が有効に活用されていくことが望まれています。今後、五百億円の環境対策基金、環境CBOに五十億円と、今補正が組まれましたけれど、総体としてこの五百億円がどのように活用されるのか、対策を講じていかれる、その方向性についてご説明ください。

〇長谷川環境政策担当部長 東京都気候変動対策方針は、現在、具体化を進めておりますカーボンマイナス東京十年プロジェクトの基本方針でございまして、これら提起した施策の中には、大規模CO2排出事業所に対します削減の義務化のように、条例に基づく制度として構築していくもの、あるいは今回の環境CBOのように、一定の予算措置が必要なものがございます。
 地球温暖化対策推進基金の活用につきましては、基金条例の地球温暖化に関連する施策の推進に要する資金に充てるという趣旨に沿いまして、今後、カーボンマイナス東京十年プロジェクトの施策の具体化と並行して行われる予算編成過程の中で検討してまいります。

〇河野委員 それでは次に、百六十八号議案、緑の東京募金基金条例についてお伺いします。条例案第二条に、基金として積み立てる額は予算で定めるとあります。基金の積立額が、現在の段階では、この条例案で明確になっていないわけですけれども、これから予算編成作業を進める中で、積立額、定められていくわけですが、どういう根拠で積立額が決まっていくのか、その根拠なるものをお示しいただきたいと思います。

〇小山参事 具体的な歳入の見込みについてのお尋ねでございますけれども、寄附は都民、あるいは民間事業者の方々の意思による制度でございまして、その開始の前に募金額を的確に見込むことは難しいところでございます。今後、募金を開始してからの状況を見ながら、おおむねの見通しを立てていきたいと考えてございます。

〇河野委員 それでは次の質問ですが、都が六月に発表しました緑の東京十年プロジェクトでは、東京に寄附文化をはぐくむ新たな緑の募金制度の創設が打ち出されています。その中に、都民、企業にとってわかりやすく、受け入れやすい制度として、税の優遇制度など、募金へのインセンティブをつけること、また、民間人の参加による実行委員会方式による推進体制、こういうことが掲げられています。
 先ほど、若干ご答弁もありましたが、税の優遇制度、あるいは実行委員会方式による寄附の募り方や募金基金の活用の仕組み、こういう問題について、この緑の東京十年プロジェクトとか条例を見ただけではなかなかわかりづらいんですが、具体的な構想についてこの場でお示しいただければと思います。

〇小山参事 緑の東京募金は、寄附につきまして、全額損金算入できるなどの法人税法上の優遇措置を活用いたしまして、企業からも賛同を得やすくしてございます。また、今後、募金の実行委員会が中心となりまして、文化イベント、あるいはスポーツイベントなどとのタイアップなど、さまざまな工夫を凝らしまして、都民や企業の幅広い賛同を得ながら緑の東京募金を推進し、緑のムーブメントの展開に努めてまいります。

〇河野委員 同じ緑の東京十年プロジェクトなんですが、その中に、今ある四十八万本の街路樹を、今後四年間で区市町村道の植栽も含めて七十万本にふやし、十年後には百万本にするとしています。それから都市公園も、区市町村の整備面積を合わせた目標値で、十年後に三百ヘクタールの公園ということで出ています。
 区市町村の施行する事業に基金を充当することになるか、これは今の段階で明確に示されていないわけですけども、都が現在の段階で、この募金基金を充てる事業はどのようなものを考えておられるのか、先ほど四種類ほどおっしゃっておられましたけれど、具体的に踏み込んでご説明いただきたい。
 それから、あわせて緑の東京十年プロジェクトを実現していく上では、これから区市町村、地元自治体との連携を強めていくことがとても大事になっていくと考えておりますけれども、その辺のご見解もお聞かせください。

〇小山参事 募金を充ててまいります事業は、海の森の整備、街路樹の倍増、校庭の芝生化、スギ花粉発生源対策の四事業を予定しているところでございます。また、募金の充当の考え方は、苗木や芝生など、具体的に目に見える緑をふやしていくということでございまして、具体的な事業箇所等につきましては、こうした考え方を踏まえまして、「十年後の東京」の実現のための実行プログラムを策定していくという、この過程の中で検討を進めていくということとしているところでございます。

〇河野委員 これから策定される、三年計画になるんですか、「十年後の東京」の実行プログラム、そこではもっと目に見えた形で、いろいろ今、私がお話を、お願いをいたしました市区町村との連携の問題なども明らかにされていく、そのように受けとめさせていただきたいと思います。
 それで、もう一点、緑の東京十年プロジェクトの関係で伺っておきます。プロジェクトでは、都市公園は、今後四年間で新たに百五十ヘクタール、これはさっきいいましたように、都立、区市町村合わせての面積ですが、さらに十年後には三百ヘクタールの公園整備となっています。緑をふやしていく全体像は、公園整備のほかに、校庭の芝生化で三百ヘクタール、民間の取り組みが恐らく主となるだろうと想定されます、屋上、壁面の緑化、それから、すき間緑化というんですか、駐車場などの都市空間緑化で四百ヘクタール、合計一千ヘクタールが目標に掲げられています。
 都民からの募金や屋上、壁面緑化など、民間の協力に頼る手法が大きくウエートを占めているような印象を受けるのですが、一方で、東京都自身が独自の努力による緑の増加目標をどのくらいに定めておられるのか、これがとてもわかりづらいんです。これから十年かけて一千ヘクタールの緑をふやす、この目標のうち、直接、都が責任を持とうとしている割合はどのくらいなんでしょうか、お答えください。

〇浅川参事 緑あふれる東京を実現するためには、都のみならず、区市町村や都民、企業などの主体的な取り組みが不可欠でございます。緑の十年プロジェクトの基本方針では、都は区市町村と連携しながら、公園の整備を初め、街路樹の充実、都有施設の緑化、校庭の芝生化など、公共空間での取り組みをしっかり進めてまいります。また、公共空間以外の民間の敷地や建物につきましては、都民、企業が主体となって緑化計画書制度などに基づく緑化を進めるとともに、先進的な事業の紹介など、自主的な緑化の取り組みを促すこととしております。

〇河野委員 先ほど、実行プログラムのお話もありましたので、きょうのご答弁は、そういうところで終わりなのかなということで、私もその答弁、この時点ではやむを得ないのかなと思ってお聞きしておきます。
 東京の緑が減少し続けている、これは周知の事実です。我が党は本会議でも、例えば臨海部のあの広大な空き地を、海の、森の構想と一体化して公園、緑地にするなどを初め、緑を増加させるための提言を行ってまいりました。
 東京都の現状を見ますと、都市公園整備費、また、保全緑地の公有化の予算、こういうものが年々減額になってきています。緑を守る、ふやす取り組みは、遅々として進まずといってもよい状況が続いているという感じです。緑を守り、ふやしていくために、都の財政支出を含めてもっと積極的に、具体的な事業の構築を都民に示すべきと考えているんですけども、これはいかがでしょうか。

〇浅川参事 緑の東京十年プロジェクトは、緑あふれる東京の再生を目指した全庁横断的な戦略的取り組みでございまして、現在、基本方針に基づき、プロジェクトの具体化に向けて、全庁を挙げて検討を行っているところでございます。
 基本方針では、先ほどご答弁申し上げたように、都は区市町村と連携しながら公共空間緑化を進めるとともに、民間の意識等につきましては、規制や誘導策などにより、都民等が主体となって、緑の創出、保全に取り組むこととしております。
 都の具体的な事業展開につきましては、今後、年内に策定いたします「十年後の東京」実現に向けた実行プログラムなどに反映させまして、その中で明らかにすることになります。

〇河野委員 ぜひご努力をお願いいたします。私として、この緑の東京募金基金条例ですか、この問題について意見を申し上げたいと思います。都民や企業が参加して緑をふやすことは大事なことだと思います。同時に、都の努力も重要です。区部、多摩地域ともに、大型幹線道路の建設などで緑が大きく失われています。これまでの東京の都市開発のあり方を見直すとともに、都が責任を持って緑を守り、ふやす取り組みを強化されていく、その努力を求めて、この質問を終わらせていただきます。
 最後に、百六十九号議案について意見を申し上げます。これまで、この条例改正の前の問題ですが、承継についての規定がありませんでしたから、承継の際、新規に申請するときと同じような手続が求められておりました。しかし、条例改正で、この手続が簡略化されることになります。今、温泉問題で求められているのは、掘削や利用についての安全確保、これが最大の関心になっています。東京都は先月十一日に、可燃性天然ガスに係る温泉施設安全対策指針を発表して、安全対策強化の方向を打ち出しました。
 その中で、例えばすべての温泉施設が、可燃性天然ガスの濃度を年一回以上測定しなければならないということが定められておりますが、これを報告する義務づけはうたわれておりません。安全確認の仕組みの不十分さは、まだ残されていると思います。
 きょう、新聞報道等がありましたが、国も温泉掘削や利用の安全対策強化に向けての法改正を予定しているとのことです。東京都として、国に対し、万全の安全対策を法に反映するよう、引き続き求めていただくとともに、都としても一層ご努力していただくことを求めて、意見とさせていただきます。
 以上です。


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