都議会環境・建設委員会での河野ゆりえ都議会議員の質問

2007年9月14日

 

〇河野委員 六月に起きた渋谷区のシエスパの爆発事故は三名の方が死亡されて、衝撃を与えました。
 東京都は、平成十七年に起きた北区浮間の温泉掘削中の火災事故を契機にして、温泉掘削については可燃性ガス安全対策要綱を定めていましたけれども、加えて今回、温泉の採取、利用、そして廃止の各段階の安全対策を、まだ暫定ということではありますが、指針として定めることになったのは、貴重な対応だと思っています。
 この指針の内容に関して、幾つかの問題について質問をさせていただきます。
 まず、安全を強めていくということで二点、伺っていきたいと思っています。
 指針の段階では、工事安全対策管理責任者を選任すること、また、温泉施設においては温泉安全管理責任者を選任することとなっています。選任された人は、当然、研修や講習を受けるということでありますが、その内容についてはどうなのでしょうか。
 指針の目的には、温泉に含まれる可燃性天然ガスに起因する爆発等による事故の未然防止を図り、もって都民の生命、身体及び安全を保護するとなっていますから、本来なら、危険物取り扱いのように、国家試験で資格を取得するような重みを持っている、そういう安全管理責任者の位置にあると思うのです。
 そのような認識のもとで、こういう方々について東京都が研修や講習、その努力がされるのでしょうか。

〇中島自然環境部長 ただいま河野先生がおっしゃいました国家資格でございますけれども、これにつきましては、現在のところ、そういった温泉に関しての資格というものはないわけでございます。
 ただ、私どもが考えております講習会におきましては、一般の防火管理の知識に加えまして、可燃性天然ガスの物理的、化学的特性ですとか、あるいは爆発のメカニズム、それから過去の爆発事故事例、それから安全設備の役割ですとか点検方法など、かなり理論と実際の両方向を知識として付与いたしまして、そして、現場において温泉安全管理者が実際に使えるものにしていきたいというふうに考えております。

〇河野委員 次に、メタンガスの濃度測定について伺います。
 掘削時についてはメタンガスの濃度測定、毎日記録ということが書かれています。掘削の際、ガスの噴出の可能性が高くなる温泉井戸の坑内を洗浄する作業段階では、一時間に一回以上記録となっています。
 一方で、温泉採取開始後、すなわち温泉施設の稼働施設が始まった段階では、すべての温泉施設者は毎年一回以上測定、そして、ガス含有温泉を利用している温泉施設者は毎月一回以上測定となっています。
 シエスパの事故のことに照らしても、一カ月に一回程度の測定で安全が保証されるのか、心配に思うわけですけれども、どうして月一回以上という基準になるのでしょうか。
 いつの間にかガスが滞留するという可能性は十分にあるわけですから、ガス含有温泉利用施設の場合は常時測定を行う、このことをしてもらうのが望ましいと私は考えるのですけれども、いかがでしょうか。

〇中島自然環境部長 ただいまご指摘がありましたように、営業時につきましては、可燃性ガスが発生するおそれがある場合、あるいは発生している場合につきましては、一カ月に一回以上ということで、最低限のレベルとして規定しております。
 一方、掘削作業の段階でございますけれども、この洗浄段階におきまして、可燃性天然ガスが大きく変動いたしまして、噴出ですとかあるいは引火するおそれが大きいことから、高頻度に測定することとして規定しております。
 ただ、月に一回以上ということで定めておりますけれども、実際には、可燃性天然ガスの発生するおそれのあるそうした設備を屋内に設けている場合につきましては、換気につきましては一定の能力以上の換気で、常に屋外の空気と交換するようにということで、事故防止対策については、そうしたものとあわせて安全が図られるように考えているところでございます。

〇河野委員 この常時測定の問題については、これからまだ検討をする課題が残っているかなということを感じていることを申し上げておきます。
 次に、この指針の実効性に関連して、何点か伺いたいと思います。
 これまで掘削は要綱で安全対策が講じられてきましたが、今回示されているのは指針であります。指針は、法や条例と違って強制力を持ちません。掘削許可を申請する事業者や掘削工事事業者が指針どおりに安全対策を実施しない、その場合には罰則の規定はありません。
 六月の委員会で、私、発言いたしましたが、私の住む江戸川区で温泉つきのマンションが建設されて、掘削申請がされました。これまでの要綱では、掘削の許可申請をした者は、申請後速やかに工事現場に定められた事項を記した標識を設置するとなっていましたが、私が見たこのマンションの場合は、残念ながら標識が設置されたのは相当後になってからでありました。また、地元自治体に聞いたところ、温泉掘削計画が知らされていなかったということもありました。
 こうした状態に照らして考えると、今回示された指針で安全対策は大丈夫なのかという不安もわいてきます。
 そこでお伺いいたしますが、指針が示している安全対策を掘削、採取、廃止の各段階できちんと実施させる、その上でどのような方策が講じられるのか、このことについてお答えをいただきたいと思います。
 そして、地元自治体や周辺住民にも、その場所に温泉掘削の計画があることをできるだけ早く知らせる仕組みをつくり、安全対策を強めていく、そうしたことを進めていくことが望ましいと考えるのですが、いかがでしょうか。

〇中島自然環境部長 これまでにも私ども掘削の事前相談があった段階で、地元自治体に対しまして情報提供を行ってきたところでございますけれども、今後につきましては、文書等で通知するなど、確実性を期してまいります。
 それから、現行の指導要綱におきまして、掘削の許可申請後速やかに標識を設置することと定めておりまして、環境局では申請後に現地調査を行い、標識の設置を指導しております。
 要するに、いろいろな、それぞれの情報提供を的確に行っていくことによりまして、また関係局が連携して事業者に対する指導啓発を重層的に行って、実効性を高めてまいります。

〇河野委員 この点でも、努力をお願いしておきます。
 指針では、安全対策の指導に当たる東京都の責務が、私自身、ずっと全部最後まで目を通させていただきましたが、何か鮮明に浮かび上がってこないという感じを持っています。
 掘削、採取、廃止、この各段階で定める安全対策がきちんと取り組まれるか、これをチェックする責任が掘削許可をおろす東京都にあると思いますが、環境局として、この各段階でのチェック体制についてどんなふうな努力がされていくのか、伺っておきます。

〇中島自然環境部長 各局がいろいろと連携して取り組んでいくことにつきましては、先ほど来申し上げているとおりでございます。
 その際に、環境局といたしましては、いわば情報の集約センターとしての役割を果たしていきたいというふうに考えておりまして、そうしたことによりまして、各局がそれぞれ本来的に行う、例えば立ち入り指導の際に安全指導についても積極的に行っていくというふうな体制にできると考えております。

〇河野委員 ごめんなさい、もう一回確認させていただいていいですか。
 掘削、採取、廃止と、各段階に分かれていきますよね。そこにそれぞれ環境局として安全確認のさまざまな対策を講じていくと、そういうことでよろしいのですか。

〇中島自然環境部長 先ほどもお答えいたしましたように、建築確認の際ですとか、段階段階で、例えば建物の完成時点にも情報を集約してそれに対しての情報を共有して、そして共同して安全確認といいますか、安全指導に当たっていきたいと考えております。

〇河野委員 それで、この暫定指針の取りまとめは、検討会議が設けられて、知事本局や環境局など六つの局と警視庁、消防庁などが連携して論議がされてきたと聞いております。
 暫定指針の実施に当たっては、環境局、福祉保健局、消防庁、都市整備局が連携して取り組むということは、先ほど来ご答弁にもありました。この各局の連携を強めることが指針の確実な実施、安全対策に不可欠な問題だと思っています。
 そこで伺っておきますけれども、例えば都市整備局は建築確認の申請、完成検査の立ち入り、その役割を受け持っていくということがここに書いてありますけれども、今、建築確認の七割近いものが民間の機関で行われていると聞いております。
 そうした場合に、例えば施設を設置する人が都市整備局で建築確認などを行わないということは当然考えられることで、その場合は、都市整備局がかかわることが事実上はできないということになるのではないでしょうか。
 防爆構造の確認とか、いろいろ都が十分に点検しなくてはならないわけなんですけれども、そうしたいろいろな民間との関係とかも重ね合わせて考えて、関係局の連携はすべての分野、すべての施設に確実に取り組みがされていくのか、ここについてはどのようなお考えをお持ちですか。

〇中島自然環境部長 私ども、今、暫定指針案を策定したばかりでございまして、これから都民の皆さんですとか事業者の皆さんにも十分意見を聞いて、そして来月中ごろには施行したいというふうに考えてございます。
 その検討会の中では、まずは足元からといいますか、そうしたところから確実に固めまして、そして民間のいろいろな機関に対しましても、今後協力を働きかけてまいりたいと考えております。

〇河野委員 他の委員もおっしゃったので、ぜひご努力をお願いしておきたいと思っています。
 廃止について、一点伺っておきます。
 東京の温泉の掘削は、深さ五百メートル以上の大深度掘削がこのところかなりふえている、これは新聞報道でもいわれています。一千メートルを超える本当に深い掘削井戸もあるわけですが、こうした大深度の井戸を埋め戻す場合にどんな方法が講じられるのか、これもお示しいただきたいと思います。
 一千メートルは深いですから、しっかりとした万全の埋め戻しがなければ、さっきもお話がありましたように、ガスが噴出したり地盤に支障が起こったりすること、これは当然考えられるのですが、埋め戻しの際の安全の基準、あるいは工法、その考え方についてご説明を求めておきます。

〇中島自然環境部長 井戸の埋め戻しにつきましては、現在、一定程度確立されております、そうした埋め戻しの方法に従って指導していきたいと考えております。
 例えば、上部の方はセメントですとか鉄板で覆うことになりますけれども、ただいま先生からご指摘がありましたように、相当深いところまでセメントを数百メートル下のところまで流し込んで、そして最後に地表のところで鉄板やコンクリートで密栓をするということを考えてございます。
 いずれにいたしましても、いろいろな専門家の方のご意見ですとか、あるいは現在の考え得る知見といいますか、得られている知見をもとにいたしまして、安全な埋め戻しを指導してまいります。

〇河野委員 中越沖地震とか中越地震でも液状化現象とかが起こって、マンホールがポーンと地面から何十センチも浮き上がってきたりしているということも考え合わせると、この埋め戻し問題も、十分なやはり研究なり検証なりが必要だということを私は感じておりますので、ぜひ局のご努力をお願いしておきたいと思います。
 次に、メタンガスについて伺います。
 メタンガスは温室効果ガスの一つで、今問題になっているCO2などに比べると何十倍も温室効果の力が強いガスであると聞いています。
 指針は三メートル以上の高さでこのメタンガスを排出するとしているわけなんですけれども、そして、温泉とガスを分離するセパレーターを備えて、ガスを分けて、メタンガスは空気中に放出されるということになるわけですね。
 しかし、こうして発生して放出されるメタンガス、すべて空気中に拡散されていくわけですから、地球温暖化防止といわれている今の時代に温室効果ガスの排出抑制、この方向では逆にそうじゃない方向、逆に温暖化を進めてしまう、こんなことが想定されるのではないかと考えるのですが、これはいかがでしょうか。

〇中島自然環境部長 可燃性の天然ガスの主成分であるメタンガスでございますけれども、これを大気中に放出しないで、例えばメタンガスを燃焼させるとすれば、これは二酸化炭素となるわけでございまして、温室効果の低減にはなるわけでございます。
 しかしながら、また新たな火種といいますか、そういったことにもなるわけでございまして、安全対策との両立にいかにバランスをとっていくかということが課題になってくるわけでございまして、そうした観点から、この温室効果対策と安全対策が両立できるようないろいろな技術の動向ですとか、そうしたものについても注意深く見守っていきたいと考えております。

〇河野委員 今のお話と関連して最後に質問させていただくのですけれども、東京都は密集した市街地であるわけですね。シエスパも渋谷の繁華街の中に設置されていました。
 三人の職員の方が亡くなられた痛ましい事故でしたが、まかり間違えばさらに周辺住宅や通行人の方にも被害が及んだ、このことは、私も現地に行って痛感をいたしました。
 東京は、地下に南関東ガス田が存在して、百メートルに満たない、そういう浅い掘削でもメタンガスが出てくる場所が幾つもあると聞いています。
 この東京では、こうした中で、毎年相当の数の温泉掘削がされています。平成七年の温泉井戸の数は八十四ということでありましたが、うち、大深度という数は十六になっています。
 ことし六月二十日現在の数値、見せていただきましたが、温泉全体の井戸の数は百四十八、このうち大深度は五十二ということですから、三分の一が大深度ということになっていくわけですね。
 この大深度がなぜふえていくかということは、地下に行くほど温度が高くなるから、温泉法の規定によって二十五度以上の水温が必要だということで、どんどん大深度がふえているのが実態だと思うのです。この掘られた温泉が、温浴施設やマンションへの各戸給湯など、営利のため、利潤追求のための目的で使われるということも多くなっています。
 これまでもずっと要望してまいりましたが、東京での温泉の掘削を、今、見直していくべきときに来ているのではないかということを、私は感じているのです。公共の利用に供すると判断できるもの以外は温泉掘削は制限していく、こうした思い切った対策が、貴重な自然の資源である温泉を守る上でも、都政の課題として急がれていると思います。
 先ほどメタンガスのお話で申し上げましたように、地球温暖化防止の問題、そして東京のまちの特徴を考えた温泉の安全利用など、さまざまな角度から検討して、この温泉の掘削抑制について何らかの東京都の考え方を打ち出していただきたいと望むものなんですけれども、これはいかがでしょうか。

〇中島自然環境部長 この問題につきましては、利潤追求ということよりも、自然と人間による利用のバランスの問題といいますか、ある意味では永遠の課題といいますか、そういった課題でもあるというふうに私は思っております。
 そうした中で、一方で実際に痛ましい事故ですとか、あるいは地下の資源、地盤沈下等が起こっておりまして、こうした観点から、こうした問題については幅広く検討を加えていくべきというふうに考えてございます。
 東京都といたしましても、新規に温泉を掘削する場合につきましては、平成十年に温泉くみ上げ量の制限ですとか、平成十七年には温泉間の距離制限、あるいは個人利用に関する一定の制限ということで、独自の対策を推進しております。
 現在、国におきましても、温泉の資源の保護対策につきましてガイドラインを策定中ということでありまして、そうした動向についても、見守ってまいりたいと考えております。

〇河野委員 環境局として、この事故、また、北区の浮間の火災事故も踏まえて、いろいろ努力されていることはわかりますけれども、やはり私は、今、都内において温泉の掘削、おっしゃった自然環境保全の立場から見ても、やはり見直しというのですかね、改めて検討を加えるべきときに来ているということは、強く主張しておきたいと思います。
 国が温泉法を、今回開かれている臨時国会で改正する方針であるということは、答弁にもありました。セパレーターやガス検知器の義務づけや、また安全義務違反に罰則規定を設けることなど盛り込まれる、こういう新聞報道も見ております。
 都としても、引き続き法改正に向けて必要なことはどんどんと国に要望し続けていただくことを、この機会に求めておきたいと思います。
 そして、福祉保健局の東京の温泉施設一覧を見ますと、公衆浴場、銭湯がかなり多く温泉施設の中に入っております。今、公衆浴場はお客さんの利用が減り、経営に大変苦労されているわけですが、こうした公衆浴場が今後安全対策が必要になってくる、そのときに、都として必要な支援策が講じられる、このことについても検討をしていただくようにお願いしておきたいと思います。
 それで、暫定指針は、これまでの要綱から採取、廃止までの全過程の安全対策を打ち出したものとして私たちも評価いたしますが、まだ不十分だと感じられる側面も残されています。今後とも改善の必要があると感じていることを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 以上です。

 

 

〇河野委員 私も、請願、落合川の小渓谷を埋め立てない河川整備工事について質問させていただきます。
 落合川は東久留米市内を流れる三・四キロの河川ということですが、都がこれまで、五〇ミリの降雨に耐える治水対策として整備を進めてきたその整備の経過と現状について、流域全体がどんなふうになっているかということも含めて、ご説明をお願いいたします。

〇高橋河川部長 落合川では昭和四十七年から護岸整備に着手して、平成十八年度末で護岸整備率は九四%であります。
 整備に当たりましては、平成八年から、市民、市、都から成る川の交流会において意見交換をしながら、環境に配慮した川づくりを進めてまいりました。例えば、地形上安全で適切な河川管理が可能であったことから、南神明橋付近では新河川の整備後も旧川を残すことができました。
 繰り返しになりますが、本工事区間におきましては四メートルの高低差があるため、現河川を残すためには新たな深い掘り割りの構造の護岸が必要となります。良好な自然環境の創出ができないことから、地元の皆さんと話し合って、遊歩道として活用することにいたしました。

〇河野委員 自然のままの流れのまま残した、地形上そういうことが可能だった地域もあるということで、私もこの落合川流域を少し歩かせていただきましたが、かなりきれいな流れとして、そして護岸の傾斜もそれほどなくて、親水的な意味も含めて、きれいな流れが残されているところもあるんだなというのを感じてきました。がちがちのコンクリートで護岸をつくるということではないところ、自然のままに残っているところがあるというのを感じて帰ってきました。
 請願者の方々は、現在工事をしている約二百メートルの部分を、東京都が計画しているように埋め立てなくても治水対策は進められると主張しておられます。私も現地に行ってみて同じ認識を持ちました。
 東久留米の市議会では、貴重な湧水を守りたいと、こうした市民の要望に基づいて、ことし三月の議会で、地蔵橋下流については埋め立てないで湧水をそのまま新河川に流れ込む落合川にしていこうとの決議があり、東久留米市長も議会の決議を受けて都に要望された経過がある、このように聞いております。市議会、市長の要望、先ほども一定ご答弁はありましたが、これについて、市民の意を受けた市議会、ここが上げた決議を中心に、東京都はこれをどのように受けとめたのか、そしてどんな努力をされたのか、もう一度わかりやすくお答えいただければと思います。

〇高橋河川部長 本年三月、東久留米市議会において、地蔵橋より下流の現河川は湧水の保全を最優先とした整備を求める旨の決議がされたと聞いております。
 都としましては、透水性のある集水管を埋設し湧水の確保に努めてきておりますが、東久留米市長より、市による管理を前提として、地蔵橋下流で護岸や通路が設置でき、安全が確保できる範囲において水面を残してほしいとの要望がありました。都としましてはこの市長の要望を重く受け、比較的地盤の高低差が小さく、安全を確保しつつ水面を残すことが可能な最下流の約四十メートルの区間について、護岸を設置して水面を残すことといたしました。

〇河野委員 東久留米の市議会では、今私がご紹介しましたように、地蔵橋下流については埋め立てないで湧水を最優先に考えてほしいという決議が上がったということですが、そのほかにも市議会の中ではいろいろな意見があって、今もう既に土がいっぱい入っている地蔵橋上流部分も含めて、約二百メートルを全部もとのまま残してもらいたいという意見も数多くあると聞いています。
 今部長のご答弁をずっと伺っておりますと、市長も合意されたということで進められている工事かもしれませんが、実際は、市民はこれでは納得できないと意見を上げて、今回の請願に至っているのではないでしょうか。
 きょう、八月二十八日号の「SPA!」という雑誌を持ってまいりましたが、ここの三二ページに、「これは事件だ」ということで見開きで紹介されています。「東京西部にあるありふれた街の底に太古の楽園があった」ということで、湧水の大切さ、人間と自然の共生がここで本当に長年にわたって守られてきているということで、こういうところこそ今大事にしていかなくちゃいけないということを紹介しているんですけれども、落合川の問題では、この記事では、住民の方々四人とともに、これまでかつてなかった形で訴訟が起こされて、原告に落合川とホトケドジョウが加わって裁判を起こしている、こんなことも紹介されて、まことに珍しい裁判だと筆者の方はいっているわけです。
 こうした事態が起こっているわけなんですけれども、先ほどるるご答弁がありましたように、四十数回にわたっての話し合いとか、あるいは反対の意見を表明されている方にも十回以上粘り強く説明をしているとか、そういうことがあるんですが、やはり基本的に合意が形成されていないという点では、もう一度、私、建設局の姿勢について振り返ってみる必要があるんじゃないかというふうに感じているんですが、そこの点のお考えはいかがでしょうか。

〇高橋河川部長 先ほどお話しいたしましたが、川の交流会におきまして意見交換会を行ってきたほか、地元自治会や近隣住民への説明を繰り返し行い、合意を得た上で工事を進めております。さらに、埋め立てに反対されている一部の方々に対しましても、これまで十回以上説明してまいりましたが、残念ながらご理解いただけない状況にあります。十分話し合いはしたと、このように考えております。

〇河野委員 もう一つ伺いたいんですが、地蔵橋下流、今ご説明では四十メートル水面を残すということをおっしゃっているわけですね。この水面がどう残るかというと、私たちがいただいているこの資料では、川が水が流れるところをV字型で川床をつくって、そこに水を、管を引いてきて湧水を集めてきて流し込むという構造であります。要するにコンクリートかブロックか、あるいは石積みなどで雨どいのようなものをつくって水を流すのと同じことなんじゃないかと思うんです。
 こういう方式は、私が住んでいる江戸川区では七〇年代に古川親水公園という親水河川ができまして、ここが下水道が入るときに上を川にした。そして川床は全部コンクリートで囲って、上を浄化した水を流したということで、都会の中の小川をつくったということで評価が高まった時期がありました。この構造と非常によく似ているんですが、江戸川区ではその後幾つかの親水型の河川の公園をつくりましたけれども、この考え方を発展させまして、コンクリートなどで川床を固めない、そしてかわりに砂や栗石を何層にも敷き詰めて、魚類、虫類などの水生動物や数多くの水生植物が生き続けられる、自然の野川へとつくり方を発展させてきたわけです。
 説明資料にあるようなこういう川床の形状になったら、落合川で希少種のホトケドジョウは生息できるのかと心配の市民の皆さんの声が上がっているのは、私は当然だと思います。
 地蔵橋上流にワンドをつくってホトケドジョウを保護する、このこともおっしゃっておりますが、それではここを流れる水温、水質はどうなるのか。
 そして、今までのもとどおりの落合川だったら人が入らないような状態だったのに、水辺環境をよくするということで、傾斜が緩やか、緩傾斜な緑地をつくって人間が水辺により近く入りやすくなると、環境の変化が起こるわけですね。その場合に、希少種のホトケドジョウとかその他の動植物にどんな影響を与えるのか、検討されているのでしょうか。ホトケドジョウやその他の希少種、動植物についての保護、影響について、お考え、建設局はどうお持ちになっておられるのか伺います。

〇高橋河川部長 整備に当たりましては、当然のことながら、新川の残す四十メートルのところの河床は自然河床でございます。コンクリートで固めていることはありません。
 整備に当たりましては、さらに自然環境の保全、創出に加え、親水性の向上も図ることから、人々が水辺に近づくことも想定しております。既に緩傾斜護岸を整備した宮下橋下流におきましても、多くの人々が集う一方で、ホトケドジョウなどの希少な生物の生息も確認されております。

〇河野委員 宮下橋下流は、私も行きましたけれども、自然のままで、本当にアシとかいっぱい生えて、水生植物もいっぱいあって、今東京都が地蔵橋下流の四十メートルでつくろうとしている川床とは全く違いますよね。だから、ホトケドジョウも生きていけるんだと思うんです。
 部長、自然の川床をつくりますといっておられますけれども、ちょっと最後に確認させていただきますが、この黄色くV字型になったこの川床で、建設局の方は自然河床というふうに認識されてつくられていくのでしょうか、その点お答えいただけますか。

〇高橋河川部長 まず、新川の川床でございますが、先生現地をごらんになったとおり、自然河床でございます。
 それから四十メートルの区間につきましては、流水による潜掘や崩落防止のため、護岸は必要でございます。河床は自然河床にいたします。

〇河野委員 時間の問題もありますから、部長が今、河床は自然河床にするとおっしゃったことは重く受けとめて、私もご答弁を聞かせていただいておきますし、請願者の方々もそういうふうな部長のご答弁を記憶すると思いますので、よろしくお願いします。
 それで私、最後に意見を申し上げたいと思います。
 冷たい湧水がかれるおそれがある、これはさっきご紹介した「SPA!」の記事も指摘しております。落合川は何カ所からも湧水が注ぎ込まれる、本当に清らかな流れが保たれて、住民に愛されている川です。都内でも数少ない貴重な清流であることを、私自身が訪れて実感してまいりました。この川だからこそホトケドジョウも生息し続けることができたと、そう思います。埋め立ててしまえば環境は一変してしまいます。治水はもちろん大切で進めていただきたい問題でありますが、自然環境の保全、多様な生物と人間との共生を大事にする、これが時代の要請でありますから、建設局はそういう認識のもとに事業を進めていただきたいということを申し上げ、そして請願は採択していただきたいということをお願いしまして、質問を終わらせていただきます。

 

 

〇河野委員 私もこの陳情について質問いたします。
 ことし三月の当委員会で、間伏海岸砂の浜の保全について質問をいたしました。その際、河川部長は、先ほども答弁されておられますが、都としては、動植物などの環境調査、地形調査や潮流調査などについて、ずっと継続した調査を行っている旨のことを明らかにされています。
 こうした一連の調査結果があるわけなんですけれども、今陳情者も心配している希少動物のアカウミガメの産卵状況、こうしたものについては調査の結果はどのようなものだったのか伺います。

〇高橋河川部長 砂の浜海岸でのウミガメの上陸及び産卵は、継続的にウミガメの産卵を調査している都の島しょ農林水産総合センター大島事業所の報告では、毎年のように確認されております。
 なお、今年につきましても三カ所でウミガメが産卵したことを確認されております。

〇河野委員 今、五十年間で六十メートルの砂浜の侵食があって、みぎわ線が後退しているということがあるわけなんですが、現在では、平均的にことしも産卵があったということがご答弁の趣旨かと思います。
 その五十年で六十メートル海岸線が後退しているということなんですが、私もこの問題では少し資料を当たってみました。東京都などが行っている潮流調査ですね、これを見て思うんですが、波で運ばれた砂が、また波によって浜に寄せられてきている、こういうことが報告されています。そして高潮などの調査についても、ちょうど調査した時期に流砂計が砂に埋まって信頼できるデータが得られていない、こういう記述も何回か出てまいります。まだ、これまで東京都が中心になって行ってきた調査の結果で信頼できるデータが得られていないというようなことがある中で、このままの状態にしておくと、さっきもお話ありましたけれども、本当にこれまでのような速度で、五十年間で六十メートルの海岸線の後退、こういうことが引き続いてこの砂の浜海岸で起こってしまうのか、今の状態のままでとどめておくと、砂浜はどんな事態になることを予測されておられるのか、建設局のご見解を示していただきたいと思います。

〇高橋河川部長 砂の浜海岸は台風や冬場の西風の影響が大きく、このまま侵食が進みますと、台風などにより高波が発生した場合、海岸付近の道路や民家が波浪により被害を受けるなどの影響があります。また、砂浜の幅が少なくなることでウミガメの産卵に支障を来すおそれもあります。
 今後は、おおむね二年間をかけまして、砂の供給量と海岸からの流出量を把握する調査を行い、それらの調査結果を踏まえ、より侵食対策に効果的で自然にも優しい人工リーフを検討してまいります。

〇河野委員 これから二年間、砂の流出などの調査を行うということでありますので、ぜひ精密な調査結果をまた委員会等でもご報告いただければと思っています。
 三つ目の質問なんですが、さっきも出ました、都は人工リーフによって砂の浜を保存しようという、そういう案をお持ちだということはわかりました。これがアカウミガメの産卵などを妨げないことが本当に可能なのかどうか、自然環境に配慮した形で砂浜の侵食を防ぐことがきちんとできるのか。部長のご答弁だと、全国的な経験もあって大丈夫だとおっしゃっているんですが、本当にそうなんでしょうか、もう一度ご答弁をお願いします。

〇高橋河川部長 既に整備を完了している新島や神津島などでは、侵食防止の効果が確認されております。砂の浜におきましても、人工リーフを基本にして検討しております。
 ウミガメの産卵が確認されている砂の浜海岸の保全対策といたしましては、国土保全と景観や生物の生息にも配慮できる人工リーフが適しております。

〇河野委員 では、意見を申し上げておきます。
 砂の浜の浜辺は、日本の海岸の中でも本当に有数の貴重な自然の黒砂海岸だといわれています。前もお話ししましたが、都の産業労働局の観光プロデューサーの方の評価でも高い評価が与えられています。こうしたすばらしい砂浜ですから、ウミガメは産卵に来るのはもちろんのことなんですが、自然に親しみたいということでサーファーの人たちも多く訪れています。島の人たちは今の砂浜、砂の浜を自然のままで残してほしいと強く要望されておりますし、今回陳情されている陳情者の皆さんだけではなくて、多くの島民の方々、市民団体の方々が、大島町や都、国への働きかけを今後とも強めていきたい、自然の砂の浜を残してほしいという立場で、そういう行動を起こしたいということもいわれているようです。
 二年かけて潮流調査を実施されるという答弁がありましたが、砂の浜の保存に当たっては、自然の生態系を大切にすることを基本にして、島民の方々の要望などに十分配慮していただくよう求めて、質問を終わらせていただきます。
 陳情は採択をお願いしたいと思います。

 

〇河野委員 陳情二三号について意見を申し上げます。
 新設の道路はアカウミガメ産卵地のそばを通ります。また、新道にかかる橋の下は砂の浜に流れ込む沢があって、砂の供給源になっています。砂の浜保存のための要望が強い中、道路建設の工法や環境保全策などを含めて、地元住民の意見を受けとめていただくようお願いしておきたいと思います。
 以上です。

 

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