都議会環境・建設委員会での河野ゆりえ都議会議員の質問

2007年6月6日

都市計画道路補助第26号線(三宿・池尻・代沢地域)の建設計画中止の請願について

〇河野委員 私も、請願が出されておりますので、現地に行ってみました。現地は、自然環境に恵まれた良好な住宅地でありました。
 そこで、幾つかの問題について質問をさせていただきます。
 先ほどから質疑、答弁がありましたが、この二六号線全体の中で未整備区間、約四キロですか、そのうち現道がない未整備区間があるわけですけれども、その中で、請願が出ております三宿、池尻、代沢の四百四十メートル区間については、全く現道というものがないという地域になっているわけです。東京都が予定しているこの地域へのこの路線についての事業認可取得の予定年度など、整備スケジュールについてはどのような見通しを持っておられるのか、まず最初にお伺いをしておきます。

〇山口道路建設部長 本事業の事業スケジュールについてのお尋ねだと思いますが、先ほどもお答えしましたように、平成十八年七月に事業説明会を実施いたしまして、その後現況測量を行い、完了してございます。
 本年度は用地測量を行い、その後事業認可を取得し、事業に着手する予定でございます。事業着手後は、地元のご理解とご協力を得ることが大切でございまして、ご理解とご協力を得ながら、早期完成に向けて事業を進めてまいりたいと考えております。

〇河野委員 そうすると、整備に着手して、用地測量をやって整備に入っていきますね、用地買収の交渉も。大体この四百四十メートルの区間について、どれくらいの期間で整備を終了させようというお考えなんですか。

〇山口道路建設部長 今お答えしましたように、まだ現況測量が終わった段階でございまして、これから用地測量を行うところでございます。また、お答えしましたように、地元のご理解とご協力が不可欠でございまして、用地買収等々につきましては丁寧に対応してまいりますけれども、具体的な取得予定年次、あるいは具体的に何年ということについては、これから検討してまいりたいと考えております。

〇河野委員 大体都市計画道路をつくるときには、何年度から始まって何年度に終了させますというのが施行者の側から示されるのが一般的だと思うのですが、この区間についてはこれから検討していくということで答弁を受けとめさせていただきましたので、その点は間違いないかどうか、後でお答えください。
 それから、この区間で移転対象になる棟数、建物の数ですね、先ほど少しお話があったようですけれども、実際に現況測量をやられた結果どういう状況にあるのか、これも改めて伺っておきます。

〇山口道路建設部長 まず、移転の対象となる戸数でございますけれども、昨年実施しました現況測量の結果、移転を含め補償対象となる棟数はおおむね八十棟ぐらいというふうに考えております。
 それから、事業認可等々の質問がございましたけれども、まだ用地測量等々を行っていないということで、事業認可取得までには事業スケジュール等について確定していきたいと考えております。

〇河野委員 それでは、補助二六号線の道路構造がどのようなものになるのか、ご説明をお願いします。
 あわせて伺いますけれども、この四百四十メートルの区間につながる先、淡島通りから北側の未整備部分について、周辺住民の方々は、いつの時期に整備するよという方針が打ち出されるのかと心配をされております。淡島通りから北の未整備の区間の事業について、今後の方針をお持ちであればお示しをいただきたいと思います。

〇山口道路建設部長 道路構造でございますけれども、本路線は、計画幅員二十メートルでございまして、両側に四・五メートルずつの歩道と十一メートルの車道を持つ二車線の道路でございます。
 淡島通りより北側区間の整備につきましても事業の必要性が高いことから、本請願区間であります三宿区間の事業の進捗状況に応じまして、測量などの着手時期について検討してまいりたいと考えております。

〇河野委員 三宿から淡島通りまでの区間を私も歩きました。段丘を越えるように坂道をずっと上り詰めていくような地形になっていて、そこに住宅が張りついているという町になっています。実際に歩いた感想なんですけれども、この場所になぜ幅員二十メートルの道路をつくるのかという点では疑問に感じました。
 移転対象になる住民の方々が影響を受けるだけではなくて、道路の計画線の外にある周辺家屋などにも道路工事による影響は甚大だと想像いたしました。素人の私が考えただけでも相当難しい工事になると推測しましたが、今の時点で都は具体的な工事方法などの検討に入られているのでしょうか。

〇山口道路建設部長 この地域は大変高低差が大きいということは把握しておりまして、昨年度実施いたしました現況測量において、現地の地形については把握しております。その結果に基づきまして、その高低差のある地形を考慮して、擁壁など道路構造の検討を進めているところでございます。

〇河野委員 今お話ししましたように、大変複雑な地形である、その上に現道がないというところに住宅地を突き抜けて道路をつくるわけですから、素直に考えて、建設費、事業費はその分かさんでいくことになるというふうに思います。事業費の見込みについては、具体的なものをお持ちなんでしょうか。

〇山口道路建設部長 先ほどもお答えいたしましたけれども、現況測量に基づく概略の検討を実施しているところでございまして、現時点においては事業費は算出しておりません。今後行います用地測量等の成果に基づいて算出してまいりたいと考えております。

〇河野委員 ずっと答弁を伺っていると、事業期間もわからない、工法もこれから、事業費も委員会で示せないと、何かわからないことだらけで答弁が終始しているのですが、これで住民の方が納得するのかなというふうに私は思ってしまいます。
 その肝心の、住民の方々への生活に及ぼす影響について伺いたいのです。
 事業予定地に行きましたときに、高齢の女性の方のお話を聞きました。自宅の隣にアパートを持っていて、その家賃収入で生計を立てているという女性でした。アパートが道路予定地にあるので、用地買収をされてそのアパートが取り壊されてしまったら、家賃の収入がなくなって生活ができなくなってしまうととても心配されていました。また、ある美容院の経営者の方は、お店が立ち退きになったらお客が離れてしまって、営業上大変な損失をこうむると訴えておられました。計画地域内には、三宿・池尻・代沢大型道路問題の会という名前が刷り込まれたステッカーがたくさん張ってありまして、そこには、用地測量拒否とか空気を汚さないでとか、いろいろ思い思いの言葉が書かれたステッカーがたくさん張ってあったわけです。住宅地を分断する道路になる補助二六号線の計画は、今でも住民の方々の生活や営業にさまざまな意味で大変な不安と影響を与えているということを実感して帰ってまいりました。
 都は、このような住民の皆さんの不安について、どう認識され、理解されようとしておりますか。

〇山口道路建設部長 地権者を初め地域の方のご理解、ご協力を得ることが大変重要であると認識しているところでございます。
 地権者の方々などからは、今ご質問にありましたように、生活再建などに関する個別の問い合わせに対して、東京都として丁寧に対応しているところでございます。さらに、用地取得の段階においても、個別の事情などを考慮しながら、真摯に対応してまいりたいと考えております。また、補償に当たっては、都の損失補償基準などに基づきまして、適切に対応してまいります。引き続き地元のご理解とご協力を得ながら、事業を推進してまいります。

〇河野委員 今のご答弁は、多分住民説明会でも事業者の都としてそのようなお話をされていると思いますが、こういうお話を聞いても住民の皆さんの不安はなかなか払拭されないことを、やはり認識していただきたいということを私は申し上げておきたいと思います。
 先ほどの説明では、この道路整備は周辺地域の渋滞解消や防災対策になるということですが、実際にそうなのかという点でも伺っておきたいと思います。住民の方々は、今の町の状態のままでも特に交通渋滞はない、それから火災などが起きた場合でも消防ホースは十分に届くし、災害上不安、問題を感じていないと住んでいる地域の方が述べておられました。むしろ、新しい道路をつくるということによって、区の防災避難場所になっている区立児童公園などがなくなることの方が納得がいかない、どうしてそういうところをなくしてしまうのかという意見が出されておりました。
 都は防災上の必要性や交通渋滞対策を強調されておりますけれども、地域住民の方々の思い、認識と都の考え方、ここにずれがあるのではないかと私は考えるのですが、どうでしょうか。

〇山口道路建設部長 先ほどからもこの補助第二六号線の必要性等々についてはお答えさせていただきましたけれども、この木造住宅密集地域に計画されております本路線は、延焼遮断帯や避難路としての役割を持つなど、防災面からも重要な道路でございます。
 さらに、消防活動という観点から見ると、本地域は狭隘な道路が多くて、消防車が入れないような地域が存在いたします。本路線の整備は、円滑な消防活動を支える起点となる空間が確保されるという面からも非常に重要な意義を持つと考えております。引き続き地元の方といろいろお話をしながら、ご理解、ご協力を得て事業を進めてまいりたいと考えております。

〇河野委員 もちろん私も町を歩いたわけですから、町の状況を見て、地域の方、通りがかりの方に聞きました。道も細いですよね、防災上心配ないのですかといったら、さっきいったようなお答えが返ってきたのですね。だから、今部長がご答弁になった円滑な消防活動とか道が狭いための災害対策上の問題点とか、そういうのはもっともっと地域の方と詰めた話をされていかないと、やはり納得のいかないものが残ってしまうというふうに考えます。
 もう一点、道路の建設の目標にかかわって伺います。
 補助二六号線は、環状六号線、山手通りと環状七号線の間に位置している道路で、板橋、豊島、中野、世田谷、目黒、品川、地図を見ただけでざっとこういう区を縦断する大きな環状線として、道路が全部通ったらそういう路線になっていくわけです。周辺の大きな幹線道路との関係で見ますと、平成二十一年度の末には、首都高速三号線と中央環状新宿線がつながる大橋ジャンクションが供用になる予定です。昨年十一月に工事が始まった中央環状品川線も、大橋ジャンクションに接続することになります。これらの高速道路網の入り口になる、地域でいえば富ヶ谷が予定されているようですが、ここの場所は二六号線のところから極めて近い場所にあるわけですね。
 補助二六号線の計画は、六十年以上前に決定されていたのに、今日まで本当に長い長い年月、着手されてこなかったわけです。今になって整備を急ぐのは、高速道路網にアクセスする役割を目的としているのではないか、こういう疑問も住民の中にはあるわけです。この点についてはどのようなお考えをお持ちですか。

〇山口道路建設部長 この補助第二六号線など都市計画道路は、都市活動や都民生活を支えるとともに、良好な都市空間の形成を図る上で重要な社会基盤でございます。また、高速道路や一般道路とネットワークを形成し、周辺の交通渋滞の緩和という大きな役割を持っております。本路線を初めといたします都市計画道路の整備により交通渋滞が緩和されまして、走行速度の向上により排出ガスの低減が図られまして、結果として、この地域のみならず都内全体の環境への負荷が軽減されると考えております。
 さらに、木造住宅密集地域に計画されている本路線は、延焼遮断帯や避難路としての役割を持つなど、防災面からも重要な道路であり、早期整備が必要であると認識しております。

〇河野委員 ここでちょっと伺っておきますけれども、先ほどの説明で、二六号線は片側一車線、計二車線の道路になるということでした。一般的な場合に、二車線の道路では一日当たりの平均的な車両通行量、これは何台ぐらいになるのでしょうか。

〇山口道路建設部長 本路線は道路ネットワーク上、二車線で計画されております。一般的な二車線道路の交通量は、一日に約一万二千台程度と見込んでおります。

〇河野委員 初めに申し上げましたけれども、三宿、池尻、代沢の地域は本当に落ちついた住宅街になっています。そして、緑と水にも恵まれた町です。地域内にある北沢川緑道は、東京都の補助金を入れて、水辺再生事業のモデル地域として整備されたことも伺いました。緑の木立に覆われた区立児童遊園がすぐそばにあって、住民の方々の本当に大切な憩いの場となっています。住民、地域全体でまちづくりを進めてきたモデル地であると近くの住民の方からお話を聞きました。
 東京都は、昨年末に発表した「十年後の東京」などで、世界一環境負荷の少ない都市東京にする、緑と水の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させるとうたっております。大変望ましいまちづくりの方向を示していると思うのですけれども、一方で、この二六号線のように、道路をつくるために貴重な水辺環境や緑を失っていく、これでは意味をなさないのではないかと私は考えます。「十年後の東京」、この都市像に逆行するような建設計画だと考えるのですが、建設局はこの「十年後の東京」と照らして、今の事業の進め方をどのようにお考えですか。

〇山口道路建設部長 先ほども申し上げましたけれども、この補助二六号線は平面の街路でございまして、北沢川緑道と交差しております。こういう部分的に緑地あるいは水辺空間との交差ということがこの地域ではあるわけでございますけれども、これは先ほどもお答えしましたように、これから地元の世田谷区あるいは地元の方々と十分協議して、設計等を考えていきたいというふうに思っているところでございます。
 緑ということについて、今ご質問がありましたように、東京都ではその十年の話の中で大変重要な位置づけをしているわけでございます。道路というのは都市の空間として大変重要な空間でございまして、街路樹等々でも緑の確保というのは大変重要な役割を担っていると考えておりますので、街路整備を進めると同時に、街路樹等を豊富に植えまして、緑等の確保を進めていきたいと考えております。

〇河野委員 今回の予定の整備路線は四百四十メートルですけれども、二六号線全体がつながって環状道路になった場合は、大変大きな長いスパンの道路になります。
 この地域に二十メートル幅員の道路が建設されると、一日一万二千台の自動車交通が予測されるということが答弁でありました。私は先ほどもいいましたが、近い場所には首都高速道路三号線があり、中央環状品川線そして新宿線、その建設が進められていますから、かなりの数の自動車交通が集中して、周辺住宅街の生活環境は大きく変わることが予想されます。幹線道路建設による車両交通の増加に伴う大気汚染、騒音被害、こうした問題で生活環境にどう影響があらわれるのか、この点で建設局は検討されているのかどうか、大変心配しております。二六号線整備に当たって、住民の方々の生活環境への影響について、きちんとその実態を調査し、予測も示して住民の方々との意見交換を進めていくべきと考えますが、この点では努力の方向をお持ちでしょうか。

〇山口道路建設部長 ご質問の趣旨は、環境影響評価を行わないのかということかと思いますけれども、本路線は環境影響評価条例の対象外であることから、条例に基づく調査は行いません。
 しかし、道路を整備していく上で、環境への配慮、これについて重要だということは都としても十分認識しているところでございます。先ほどからもお答えいたしましたように、周辺環境への影響を極力少なくするため、歩道部への透水性舗装の採用や植樹帯の設置、また車道部への低騒音舗装の採用などを行っていくことなどにより、沿道環境に十分配慮していきたい、こういうふうに考えております。

〇河野委員 前の委員会で、環状八号線のときにもそういう植樹帯、低騒音舗装のことはお話がありました。しかし、環八が、板橋、練馬のあたりが開通した後、また地域の方からいろいろなプリントも配られてきますけれども、それだけではやはり環境が守られているとはいえないという状況も私たちのところに届きます。そういう点では、植樹帯、低騒音舗装をいろいろおっしゃっていますけれども、やはり今の状況とどう変わるのかということについては、住民の皆さんが納得のいくような建設局、事業者としての取り組みを進めていくことが私は必要だと思っていますので、この場で申し上げておきます。
 私は、現地を歩いていろいろな方にお会いしました。ほとんどの方が、二六号線の整備については疑問、納得がいかない、そういう声を上げておられました。六十数年前の計画をどうして今になって事業化するのか、その必要性についても理解できないという声が多く寄せられました。それにもかかわらず、都は、第三次都市計画道路整備方針を決めたから工事に入っていく、こういうことでここの部分も着手していくわけですけれども、こういう方向では、住民参加が保証されたまちづくりといえないのではないかと私は考えます。
 建設局の道路整備の手法がこれでよいのかと疑問を持っている、これが私の現状の思いなんですが、請願文にありますように、住民説明会のその場で住民の合意を求める決議も上がっているという状況があります。地域の皆さんの理解、合意がないまま建設を進めていくのは大変問題が大きいと思います。関係住民の方々の声を受けとめて、二六号線の整備は中止を含めて再検討することを求めるものですが、お考えを伺っておきます。

〇山口道路建設部長 道路整備に当たっては、東京都としましては、事業者として、この路線だけではなく、いろいろな路線で真摯に対応してきたつもりでございます。
 この路線につきましては、先ほどから何度も答弁しておりますように、交通渋滞の緩和に資することはもちろん、延焼遮断帯や緊急避難路としての役割を持つなど、地域の防災性の向上等の観点からも非常に重要な道路でございます。昨年の七月に事業説明会を行って以来、地元からの要請による説明会への出席や地元町会への個別説明、電話や来庁による個別相談など、さまざまな形で地元住民の要望や相談に丁寧に対応してきているところでございます。
 今後も、用地測量説明会などの機会を通じまして、引き続き地元のご理解とご協力が得られるよう努めるとともに、地元世田谷区などと計画内容に関する協議、調整を進めながら、本区間を含め補助第二六号線の早期整備に向け、積極的に事業を推進してまいります。

〇河野委員 地元の方々、地元住民と部長はおっしゃいましたが、その地元住民の理解と協力を得ながらというスタンスはきちんと守っていただきたいと思います。
 それで、私はいろいろなまちづくりを見てきましたけれども、やはり道路の建設にしても再開発にしても区画整理にしても、まちづくりは住民合意が大前提に据えられなくてはならないと思っています。今回請願が出されましたが、署名の数は二千二百四十五筆ですか、こんなにたくさんの署名が寄せられているわけです。この数に示されているように、周辺地域では二六号線の整備計画は認められないという声が多数あることを都に認識していただきたいと思います。本請願は採択していただくようにお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 

トップページへ